
今季のパリ・メンズ・ファッション・ウイークは、伝統的でクラシカルな要素をモダンに再解釈し、デイリーウエアをエレガントに格上げしたコレクションが多く見られた。上質な素材で体を包み込むようなオーバーサイズのコート、リラックス感のあるシルエットや洗練されたレイヤードスタイルがトレンド。色調は、人気が続いていたパステルカラーから、ダークブラウンやオリーブグリーンなどの落ち着いた色にシフトした。ここでは、有力小売店のバイヤーが注目するトレンドと、マストアイテムを紹介する。(この記事は「WWDJAPAN」2025年3月3日号からの抜粋です)
ギャラリー・ラファイエット
アリス・フェイヤー=メンズウエア担当バイイング・ディレクター
よかったブランド
「ディオール(DIOR)」「ルメール(LEMAIRE)」「アミ(AMI)」「ヘド メイナー(HED MAYNER)」「ジュンヤ ワタナベ マン(JUNYA WATANABE MAN)」
安定感のある大手ラグジュアリーブランドはもちろんのこと、若手も豊かなクリエイティビティーを存分に発揮していた。ソフトな中にもシャープさのあるテーラリングやダブルブレストジャケット、フランネルやツイードなど、クラシカルなものを現代的に再解釈した“伝統の昇華”がトレンド。アイテムとしては、襟にファーをあしらったコートや上質なレザージャケットなど、美しいアウターが印象に残った。また、革新的な素材を使った機能性の高いアウトドアウエアも引き続き人気。色味としては、ブラック、エスプレッソやコニャックを思わせるダークブラウン、落ち着いたグレーやネイビーなど全体的にダークな中に、レッドやチェリーピンクを差し色にしているブランドが多かった。
マストアイテムは「ディオール」のクリーンカットなスーツ、「アミ」もしくは「オフィシン ジェネラーレ(OFFICINE GENERALE)」のリラックス感のあるダブルブレストジャケットとパンツ。「ルメール」のオーバーサイズのウールコート、「ザ・ロウ(THE ROW)」のカシミヤニット、「リック・オウエンス(RICK OWENS)」のレザージャケット、「ヘド メイナー」のデニムパンツ。アクセサリーでは、柔らかなレザートートとクラシカルな形のローファー。
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