「ジル サンダー(JIL SANDER)」は1月28日、6つのフレグランスからなる初のプレミアム・フレグランス・コレクション“オルファクトリー シリーズ 1”(全6種、各100mL、各4万3780円)を発売した。ルーシー&ルーク・メイヤー(Lucie & Luke Meier)=クリエイティブ・ディレクターが手掛け、ブランドのミニマルな一面を表現。香料アルデヒドとアップサイクルした炭素排出物から生成したアルコール、水の3つの天然成分にわずかな原料をプラスしたシンプルな処方にこだわった。フレグランスのライセンス契約を結んでいるコティ(COTY)が製造した。

メイヤー夫妻は、「私たちのアプローチは、ファッションでも、フレグランスでも変わらない。強い感情や個人的なつながりの喚起を目指している」と話す。“オルファクトリー シリーズ 1”の製作でも同じプロセスを踏んだという。「明確な方向性を指し示した後、熟練した調香師を迎えてコラボレーションし、エレガントでユニセックスな香りを開発した。アルデヒドを配合してシンプルな原料を際立たせることで、ユニークな表現を強調している」。
ジャン・ホルツマン(Jean Holtzmann)=コティ プレステージブランド部門チーフブランドオフィサーは、「『ジル サンダー』はファッションでも勢いがあり、原初の価値観と未来に向けた新たなビジョンとの橋渡しに成功している。だからこそ、ファッションと同じような香水に商機を見いだした」と話す。同コレクションは、人間と自然のつながり、そしてクラフツマンシップを表現。個性に光を当てることが鍵だったという。
ボトルは、イタリア・ミラノとオランダ・ロッテルダムに拠点を置くデザインスタジオのフォルマファンタズマ(FORMAFANTASMA)と共同開発した。有機的で非対称な形に仕上げ、白いアルミニウム製の鐘型キャップも製作。日光や照明からフレグランスを守るほか、キャップを外すその動作が、自分だけの貴重な作品を大切に手に取るような仕草を生み出す。
業界筋は、同コレクションの初年度の小売売上高を1500万ユーロ(約23億8500万円)と予想している。