フランス国立モード芸術開発協会が主催する「ANDAMファッション・アワード(ANDAM Fashion Award以下、ANDAM賞)」は、2025年度の審査員長として、LVMH モエ ヘネシー・ルイ ヴィトン(LVMH MOET HENNESSY LOUIS VUITTON以下、LVMH)のベルナール・アルノー(Bernard Arnault)会長兼最高経営責任者(CEO)の相談役を務めるシドニー・トレダノ(Sidney Toledano)を任命した。
トレダノ相談役は、1994年にレザーグッズ部門のディレクターとしてクリスチャン ディオール クチュール(CHRISTIAN DIOR COUTURE)に入社し、98年に同社の会長兼CEOに就任した。アルノー一族の持株会社クリスチャン ディオールSE(CHRISTIAN DIOR SE)で複数の要職を経て、2018年にLVMHファッショングループの会長兼CEOに就任。「セリーヌ(CELINE)」「ジバンシィ(GIVENCHY)」「ロエベ(LOEWE)」「ケンゾー(KENZO)」「マーク ジェイコブス(MARC JACOBS)」「パトゥ(PATOU)」など多数のブランドを統括した。24年2月から現職。同氏はANDAMの創設メンバーの一人であり、ほかにフランス・モード研究所(Institut Francais de la Mode以下、IFM)のプレジデントを務めている。
「ANDAM賞」のグランプリと準優勝にあたる特別賞の受賞者には、それぞれ賞金30万ユーロ(約4800万円)および10万ユーロ(約1600万円)のほか、トレダノ相談役による1年間のメンターシップを受ける権利が贈られる。このメンターシップは、クリエイティブとビジネスの両方について学べる内容だという。
同氏は、「ファッション業界を支える未来のプロフェッショナルたちのトレーニングを支援するIFMのプレジデントとして、ANDAM賞のグランプリおよび特別賞の受賞者をサポートできることをうれしく思う。私の情熱や経験を共有し、彼らの創造的な仕事のさらなる発展に貢献したい」と語った。
ANDAMについて
ANDAMは、1989年にフランスの文化省と国内のファッション産業の発展を促進する組織であるDEFI(フランス服飾開発推進委員会)の支援を受けて設立。ANDAM賞は、マルタン・マルジェラ(Martin Margiela)、ジェレミー・スコット(Jeremy Scott)、クリストフ・ルメール(Christophe Lemaire)らを輩出した若手デザイナーの登竜門として知られている。
25年度のほかの審査員は2月中に発表する予定。ファイナリストは5月に発表し、グランプリなど各賞の授賞式は6月30日に開催する。