ファッション

BLACKPINKのLISAとファッション 「ANDAM賞」審査員に挑戦した理由からビンテージショッピングまで

 フランス国立モード芸術開発協会が主催する2021年「ANDAMファッション・アワード(ANDAM Fashion Award以下、ANDAM賞)」のグランプリにビアンカ・サンダース(Bianca Saunders)が選ばれた。ファイナリストには「ゲーエムベーハー(GMBH)」「ウェールズ ボナー(WALES BONNER)」「エリア(AREA)」「ロク(ROKH)」「ルドヴィック デ サン サーナン(LUDOVIC DE SAINT SERNIN)」「カサブランカ(CASABLANCA)」が残っていた。

 「ANDAM賞」はマルタン・マルジェラ(Martin Margiela)、ジェレミー・スコット(Jeremy Scott)、クリストフ・ルメール(Christophe Lemaire)らを輩出した若手の登竜門。今年は特にBLACKPINKのLISAが審査員に加わったことで大きな注目を集めた。

 LISAのほか、中国の歌手クリス・リー(Chris Lee)やカービー・ジーン・レイモンド(Kerby Jean-Raymond)「パイヤー モス(PYER MOSS)」デザイナー、フィービー・ファイロ(Phoebe Philo)前「セリーヌ(CELINE)」クリエイティブ・ディレクターも審査員に招聘。審査員長を務めたセドリック・シャルビ(Cedric Charbit)=バレンシアガ社長兼最高経営責任者(CEO)はその理由について「審査員はさまざまな分野から構成されており、今日のクリエイティビティーを多面的に表す面々だ。これからを担う才能の発掘に、大きく役立つ」と明かしている。

 米「WWD」は、審査を終えたLISAに独占インタビューし、「ANDAM賞」の審査員を引き受けた理由や評価基準、パリとファッションへの情熱などについて聞いた。

WWD:「ANDAM賞」の審査員になることを同意したのはなぜ?

LISA:まず、今年の「ANDAM賞」に参加することができてとてもうれしく、光栄に思います。審査員の招待が届いたときはすごく驚きました。私はファッションの世界に入ったばかりだったので、最初は自分にとってかなり勇気のいるチャレンジになると思いました。でも同時に、エキサイティングな経験ができそうですし、この機会にたくさんのことが学べると思いオファーを受けました。

WWD:ファイナリストを決めるのは難しかった?候補者たちと彼らのビジョンのどこが一番の決め手となった?

LISA:本当に難しくて、選ぶのに何時間もかかりました!ポートフォリオを見るだけでは決断できなくて、最終的にアーティスト全員のSNSを見て決めました。アーティストそれぞれの作品のスタイルと特徴が全く違ったので、それぞれのブランドの特徴や世界観を理解することができました。自分の視野が広がる体験だったと思います。

WWD:評価は服とデザインによるものか、それとも価格やストーリー性を重視したか?

LISA:まず全体像をつかんで、それからデザインを細かく見ました。審査員一人一人にそれぞれの評価基準があったのだろうと思います。私はシンガー、そしてエンターテイナーとしての視点から評価しました。私はカジュアルな場では楽に着ることができて、さらにステージのパフォーマンスに適した服が大好きです。なのでステージにすぐ立てるような、自分のニーズを満たしてくれるブランドを選びました。

WWD:ポップカルチャーにおいて、若手ファッションデザイナーの役割は何だと思う?

LISA:ファッションとカルチャーは時間とともに常に変化しています。若手デザイナーの役割は、その世代のファッションとカルチャーをたくさん経験して理解し、今の時代に融合させることだと思います。今の時代はすでに有名で才能あるデザイナーがたくさんいますが、将来のファッション業界を担う若いデザイナーを評価し、サポートすべきだと思います。

WWD:LISAさんにとって、パリでの一番思い出深い出来事とその理由を教えて。

LISA:アイ・ラブ・パリ!初めて訪れたときからパリに心奪われました。そして訪れるたびにもっと好きになっています。「セリーヌ」のイベントでパリに来た時、ワークショップを訪れて職人の仕事ぶりを見る機会に恵まれました。細かくデリケートなタッチで職人が刺しゅうするのを見ました。それに、幸いなことにエディ(・スリマン、Hedi Slimane)と一緒に写真を撮ることができました。とても有意義な時間でした。

WWD:ファッションセンスは以前からあったもの?それとも時間をかけて学んだもの?

LISA:子どものころから服を着て遊ぶのが大好きでした。2019年にパリ・ファッション・ウイークに参加したことでファッションに対する興味が大きくなったと思います。ファッションはとても魅力的で楽しいものです。

WWD:BLACKPINKのスタイルを言葉で表現すると?そしてそのスタイルにどう対応している?

LISA:BLACKPINKのスタイルは私のスタイルとすごく似ています。というより、私そのものです。だから「BLACKPINKらしく見せるにはどうしたらいい?」と思ったり心配したりしたことは一度もありません。私たちBLACKPINKはスタイリストととても仲が良くて、コンセプトとスタイルについてたくさん話します。いろんなスタイルを試して何が私たちに合うのか、多くのアイデアを共有しているんです。

WWD:ファッションにおいて好きな時代、デザイナー、ブランド、スタイルアイコン、映画、写真は?その理由も教えて。

LISA:映画「ミッドナイト・イン・パリ(Midnight in Paris)」で主役が訪れる時代のファッションが大好きです。インターネットでビンテージのアクセサリーと服をよく探しています。

WWD:「セリーヌ」のような世界的ブランドとの関係やスタイリストとの仕事を通じて学んだことは?

LISA:私は歴史のあるグローバルブランドを尊敬しています。何よりも、エディが「セリーヌ」を受け継いで、大胆な変化をもたらしたことに一番感銘を受けました。「セリーヌ」のスタイルを若返らせ、新鮮かつファッション初心者でも挑戦しやすくメゾンをアップデートしたと思います。

WWD:普段の生活とパフォーマンスするときの服はどう違う?

LISA:普段は着やすい服と靴を着ていて、靴は大体テニスシューズを選びます。ステージでは曲と合った服が好きです。特に派手で大胆な服が好き。

WWD:スニーカーやバッグ、ファッションで何か集めているものはある?

LISA:限定品か、レアアイテムです。

最新号紹介

WWDJAPAN Weekly

東京デザイナーがさらけだす“ありのまま”【WWDJAPAN BEAUTY付録:「第7回 WWDBEAUTY ヘアデザイナーズコンテスト」結果発表】

3月25日発売号の「WWDJAPAN」は、2024-25年秋冬シーズンの「楽天ファッション・ウィーク東京(RAKUTEN FASHION WEEK TOKYO以下、東コレ)」特集です。3月11日〜16日の6日間で、全43ブランドが参加しました。今季のハイライトの1つは、今まで以上にウィメンズブランドが、ジェンダーの固定観念を吹っ切ったことでした。

詳細/購入はこちら

CONNECT WITH US モーニングダイジェスト
最新の業界ニュースを毎朝解説

前日のダイジェスト、読むべき業界ニュースを記者が選定し、解説を添えて毎朝お届けします(月曜〜金曜の平日配信、祝日・年末年始を除く)。 記事のアクセスランキングや週刊誌「WWDJAPAN Weekly」最新号も確認できます。

@icloud.com/@me.com/@mac.com 以外のアドレスでご登録ください。 ご登録いただくと弊社のプライバシーポリシーに同意したことになります。

メルマガ会員の登録が完了しました。