連載 SNSトレンドに、業界は「どうする」? 第58回

NYコレ期間中にハマった「セフォラ」訪問記 日米ビューティはこんなに違う

有料会員限定記事

「WWDJAPAN」のソーシャルエディターは毎日、X(Twitter)やFacebook、Instagram、TikTok、そしてThreadsをパトロールして、バズった投稿や炎上、注目のトレンドをキャッチしている。この連載では、ソーシャルエディターが気になるSNSトレンドを投げかけ、業界をパトロールする記者とディスカッション。業界を動かす“かもしれない”SNSトレンドの影響力や、投稿がバズったり炎上してしまったりに至った背景を探る。今、SNSでは何が起こっているのか?そして、どう向き合うべきなのか?日々のコミュニケーションのヒントにしたい。今回は、ニューヨークコレクションを担当したソーシャルエディターの「セフォラ」探訪記。

ソーシャルエディター浅野:先日、ニューヨーク・ファッション・ウイークを取材してきました。多くのショーや展示会などを周りましたが、今回は隙間時間で仕入れたビューティ情報のお話です。

真っ先に向かったのは、もちろんコスメショップ「セフォラ(SEPHORA)」です。ざっと見た感想は、数年前から変わらずクリーンビューティが主流なこと。トレンドというより、当たり前といった風潮です。加えて気になったのは、全てのブランドのディスプレイのメインがベースメイクなんです。日本ではアイシャドウやリップなど、いわゆる色物がメーンですよね。しかしアメリカではベースメイクが1番スペースをとっており、目立っています。次はリップやチークで、アイシャドウは端っこに少しだけというブランドも。現地の人に聞いてみると、アメリカにはフルメイクは特別な時だけで、普段は軽くベースメイクくらいの人が多いそう。そんな使用頻度の違いが原因かもしれませんね。
店頭を見ているだけでメイクのトレンドや文化の違いが見え、滞在中は何度も「セフォラ」に足を運びました(笑)。さらにコスメブランドのインスタグラムを見ていると、こちらも日本とはかなり違います。日本の公式アカウントはキービジュアルや新作中心の投稿で、サイトの情報をSNSにスライドした印象です。

しかし、リアーナ(Rihanna)が手がける「フェンティ ビューティ(FENTY BEAUTY BY RIHANNA)」や、クリーンビューティで人気の「イリア(ILIA)」のアカウントを見ていると、新作も既存品も関係ありません。さまざまな人種や肌質のインフルエンサーがリアルにメイクする動画が数多く、一般のインフルエンサーや消費者のレビューをオフィシャルアカウントに集約しています。口コミなどを別で調べなくとも、オフィシャルアカウントがかなり参考になるんです。人種の多様さなどの理由もあると思いますが、インフルエンサーなど消費者により近いユーザーを巻き込んだ情報発信で、共感できたり自分ごと化しやすかったりの雰囲気作りは、日本にはないアメリカンブランドならではの強さだと思いました。日本は、消費者さえブランドイメージを重視する傾向があるので、アメリカ流が日本にマッチするかと聞かれたら違う気もします。だからこそ口コミサイトが充実しているのでしょう。

この続きを読むには…
残り2098⽂字, 画像3枚
この記事は、有料会員限定記事です。
紙版を定期購読中の方も閲覧することができます。
定期購読についてはこちらからご確認ください。
最新号紹介

WWDJAPAN Weekly

韓国ブランドの強さに迫る 空間と体験、行き渡る美意識

日本の若者の間で韓国ブランドの存在感が増しています。K- POP ブームが追い風ですが、それだけでは説明できない勢い。本特集では、アジアや世界で存在感を示すKブランドや現地の人気ショップの取材から、近年の韓国ブランドの強さの理由に迫ります。

詳細/購入はこちら

CONNECT WITH US モーニングダイジェスト
最新の業界ニュースを毎朝解説

前日のダイジェスト、読むべき業界ニュースを記者が選定し、解説を添えて毎朝お届けします(月曜〜金曜の平日配信、祝日・年末年始を除く)。 記事のアクセスランキングや週刊誌「WWDJAPAN Weekly」最新号も確認できます。

@icloud.com/@me.com/@mac.com 以外のアドレスでご登録ください。 ご登録いただくと弊社のプライバシーポリシーに同意したことになります。

メルマガ会員の登録が完了しました。