ファッション

「ヴァレンティノ」2015年春夏パリメンズ 若さと着心地、そしてファンタジーの進化は止まず

 「ヴァレンティノ(VALENTINO)」の2015年春夏メンズ・コレクションは、メゾンが命題として取り組む「オートクチュールのクラフツマンシップを未来に」のメッセージがより一段と鮮明になった印象だ。これまでカモフラージュ柄、スタッズ、そしてデニムでメンズの刷新を印象付けてきたが、いよいよそれが広く浸透し、“第二段階”に突入したのだろうか?新たなシルエット、スタイル、そして、これまで以上のクチュリエとしてのプライドに溢れている。

 まずシルエットは、時代に呼応したドロップショルダー&オーバーサイズのアイテムがバリエーションを増している。布帛で作るTシャツを筆頭に、ムースのような素材によるフィールドジャケット、裾にドローストリングを加えたフーデッドパーカなど、すべてがユルいシルエット。クラフツマンシップを詰め込んで生み出しているからこそ、その“ユルさ”は“だらしなさ”にはつながらず、“若々しさ”をもたらす最大の要因となっている。着心地は、パジャマのようなシャツとパンツ、ジャケット、コートなどで提案。これまた“ユルい”アイテムだからこそ、エンジやネイビーなどの落ち着いたカラーパレットを基調とし、またクラシックな花柄などを散りばめることで大人っぽい雰囲気にまとめた。

 そしてクチュリエとしてのプライドは、半年前に発表した14年春夏オートクチュール・コレクションのキーモチーフとなった蝶々、そしてさまざまな動物。蝶々は太いベルトのトレンチコートに刺繍で描かれ、その他の動物はたとえばジャカード、たとえばレザーのカットワークで表現された。こうしたモチーフをのせたトレンチコートやスエードのブルゾンは、序盤のオーバーサイズと異なるジャストサイズ。たとえ時代が変わっても常に楽しむことができるよう、正々堂々のアイテムに自信満々にのせている。

VALENTINO x コレクションの記事

関連タグの最新記事

最新号紹介

WWDJAPAN Weekly

Timeless, Yet New 変わらない吉田、世界を変える【WWDBEAUTY付録:今こそ立ち上がれ、日本化粧品】

「WWDJAPAN」12月22日&29日合併号は、創業90周年を迎えた吉田カバン総力特集です。「ポーター(PORTER)」「ラゲッジレーベル(LUGGAGE LABEL)」「POTR」の3ブランドを擁し、日本を代表するカバンメーカー・吉田のモノ作りに迫ります。日本が誇る伝統技術を持つカバン職人たちと深い関係を築きながら、最先端の技術・素材を使い名だたるデザイナーズブランドとコラボレーションする相反…

詳細/購入はこちら

CONNECT WITH US モーニングダイジェスト
最新の業界ニュースを毎朝解説

前日のダイジェスト、読むべき業界ニュースを記者が選定し、解説を添えて毎朝お届けします(月曜〜金曜の平日配信、祝日・年末年始を除く)。 記事のアクセスランキングや週刊誌「WWDJAPAN Weekly」最新号も確認できます。

ご登録いただくと弊社のプライバシーポリシーに同意したことになります。 This site is protected by reCAPTCHA and the Google Privacy Policy and Terms of Service apply.

メルマガ会員の登録が完了しました。