ファッション

脱マンネリ!ファッショニスタに学ぶ、定番ボーダーの最新アレンジ【22年春夏トレンド】

 ボーダーは、トレンドに関係なくずっと人気が衰えないモチーフです。ただ、おなじみの柄だけに、ありきたりに見えない“ひと工夫”した着こなしが肝心。セレブスナップやストリートスナップでも、多彩なアレンジが登場しています。今回は、お手本にしたいボーダーのスタイリングを、ファッショニスタの装いからピックアップしてみました。

 3月にパリで開催された「ルイ・ヴィトン(LOUIS VUITTON)」2022-23年秋冬コレクションのショー会場に現れた、ファッションアイコンのアレクサ・チャン(Alexa Chung)。オレンジベースのマルチボーダーTシャツに、コンパクトなライダースジャケットを羽織って、クールなロックテイストを漂わせました。ミニスカートでフレッシュに見せつつ、ライダースとブーツでタフさも印象づけています。

“黒×白”は変化球のデザインでバランスを崩す

 黒×白のモノトーン系のボーダーは見慣れた印象があるだけに、着こなすにあたって、アレンジを加えたくなります。ボーダーの太さや間隔を少し変えるだけで、印象が様変わり。新鮮な着こなしに映ります。

 一般的なモノトーン系のボーダーは黒と白の幅が同じですが、太さを変えればリズムが加わります。ゆったりとしたボーダー幅なら、リラックスした雰囲気に。1枚目の写真は、ジャケットを重ねてシックに落ち着かせました。全体をモノトーンでまとめて、クールに整えています。

 ボーダーのトップスと組み合わせるアイテムを工夫して、着こなし全体で変化を見せる選択肢もあります。ボトムスのほかに、バッグや靴もボーダールックを揺さぶるうえで効果的です。

 2枚目の写真のニットトップスは、上半分にだけボーダーが配されています。全体がボーダーだと単調に見えがちですが、上下アシンメトリーなものを選ぶことで意外性が加わりました。オーバーサイズのトップスとショートパンツも適度にアンバランス。さらに、ロングブーツで縦長イメージを押し出しました。斜め掛けのバッグがすっきりとした印象を添えています。

1枚で主役級のマルチカラーはアート感覚でまとう

 マルチカラーのボーダーは、モノトーンに比べて表情が深くなります。多色で華やかな雰囲気になるのに加え、アート感覚をまとえるのもいいところ。

 1枚目の写真は、下に着た長袖の一部がマルチカラー。上に重ねたベストは、正面にたくさんの色を迎えました。太さもまちまちで、色付きバーコードのように複雑なミックスです。主張は十分なので、ボトムスはあえてシンプルな黒パンツが正解。主役級トップスのおかげで、プレイフルな見え具合に仕上がっています。

 日本では“ボーダー”は横しま、“ストライプ”は縦しまを指しますが、ボーダーとストライプを混在させると、ラインの走る方向が違うために動きが強まります。マルチカラーの組み合わせなら、さらにダイナミックに映ります。

 2枚目の写真は、“ボーダー×ストライプ”のよさを感じ取れるショット。大胆な切り替えを施したニット仕立てのワンピースで、上半身はボーダー、スカートはストライプという構成です。マルチカラーの相乗効果で動きが出て、1枚で着ても主役級の着映えに。鮮やかなブルーのジャケットを重ねて、爽やかさもプラスしました。

ピンクのボーダーで若々しさやハッピー感を演出

 “ネイビー×白”のボーダーは夏の定番ですが、白との組み合わせに別の色を取り入れると、ぐっと鮮度がアップします。たとえば、ガーリーな“Y2K”のムードを印象づけるピンクを使えば、若々しいムードが生まれます。“ポスト・コロナ”を意識したハッピー感も呼び込めそうです。

 1枚目の“ピンク×白”のボーダーワンピースは、ミニ丈のおかげでフレッシュな印象。ゆるっと肩出ししたのも、Y2Kライクな着こなしです。太いカチューシャとリボン付きのレースアップブーツをピンクでそろえて、いっそうチャーミングな雰囲気を濃くしました。ピンクが全体に響き合って、弾むような軽快感が生まれています。

 甘くなりがちなピンクを大人っぽくまとうテクニックもあります。ライダースジャケットなど、タフなムードのアイテムと合わせると、スイートな印象を遠ざけられます。

 2枚目の写真では、ニットワンピースにライダースジャケットをオン。どちらもピンクですが、ライダースを選ぶことで甘さを封じ込めています。マスクと足元に黒を盛り込み、上下で引き締め。ライダースと黒の相乗効果で、キュートさとパンクが同居するテイストミックスに仕上がっています。

 今回は、タイプが異なる3種類のボーダーコーディネートをご紹介しました。都会的なハンサムルック、アートフルな着こなし、キュートなY2Kと、それぞれ雰囲気が違うので、似通って見えがちなボーダーアイテムの着回しに役立ちそうです。自分好みにアップデートするヒントにぜひ使ってみませんか。

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