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マスク姿でも「顔認証」で支払い 大阪メトロが非接触・データ活用店舗

 大阪市高速電気軌道(大阪メトロ)は11日、御堂筋線梅田駅北改札前に初の駅ナカ直営店「メトロオーパス」梅田店をオープンした。案内カウンターの跡地を活用した店舗で売り場面積は約26平方メートル。スイーツなどの食品を中心にセレクトした商品を週替わりで販売するポップアップストアを運営する。

 コロナ禍での駅ナカ店舗のあり方を検討するため、12月25日までの期間、マスク対応顔認証決済の実証実験を行う。NECの顔認証技術を採用し、マスクをしたまま、非接触での決済を可能にした。事前にスマホからの登録が必要となるが、決済時間短縮による待ち時間の削減や利便性向上による来店頻度アップなどの効果を検証する。

 店舗で販売する一部の商品を営業終了後も非対面で購入できるよう、店舗近くにキャッシュレス専用の冷蔵自販機も併設した。購入可能時間は11~24時(日曜日のみ11~20時)。自販機は電子機器メーカーのマースウインテック(長野県、井出平三郎社長)が4月に発売した次世代型モデルで、型崩れしやすいものも取り扱える構造と、AI(人工知能)カメラを内蔵しているのが特徴だ。購入者の年齢、性別などの推定属性と購買情報を取得できるだけでなく、属性ごとの好みなど傾向分析データを抽出できるため、品ぞろえやサービス向上に役立てる。

 同社は大阪市交通局の民営化に伴って2018年4月に設立。駅ナカ、駅地下街などの流通事業を担うマーケティング事業本部が、コロナ禍で新たなビジネスチャンスを探るべく直営店の出店に踏み切った。

 関西では鉄道各社がスイーツのポップアップストアを展開している。同社は後発なうえ、梅田地区はスイーツの激戦区でもある。マーケティング事業本部の福井順子リテール部長は「単なるスイーツの週替わりの店では他社との差別化が難しいため、独自性を追求した」と新しいテクノロジーを導入した背景を話す。

 御堂筋線梅田駅の1日の乗降数は44万人で、そのうち北改札の乗降数は半数を占める。メトロオーパスの出店立地は約140の店舗区画の中でもトラフィックの多い一等地で、テナント企業からの出店ニーズも多い。あえて直営店を展開するのは、駅ナカ事業における新たな業態のバリエーションを拡充する狙いがある。食品だけでなく、高級ブランドのコスメも販売できないか模索するという。

 メトロオーパスは今夏、御堂筋線なんば駅構内に2号店を出店する予定。自社のエキナカ以外への出店も進め、25年までにエキナカ10区画、地上10区画への出店をめざす。

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