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「食の阪神」全面開業 100メートルの「スイーツストリート」も

 阪急阪神百貨店は6日、旗艦店の阪神梅田本店を全面開業した。2014年から7年かけて建て替え工事を進め、最後に残されていた地下1階の食品フロア「阪神食品館」がきょうオープンした。飲食店を含む食品の売り場面積は建て替え前に比べて38%増の1万8000平方メートルとなり、売上高に占める比率も58%に引き上げる。「食の阪神」の強みに磨きをかけ、23年3月期の売上高目標730億円の達成に弾みをつける。

 6日のオープニングセレモニーで山口俊比古社長は、大阪・梅田における阪神梅田本店の役割や魅力をこう語った。「トレンドや高級を追求する阪急うめだ本店に対して、阪神は毎日の豊かさや本質を提供価値として日常や暮らしを中心としたマーケットに取り組んでいく。そのなかで最も重要な魅力である食の売り場の最大化をめざしてきた。圧倒的な品ぞろえと専門性、活気ある市場のような売り場をさらに進化させ、まさに日本一の王道デパ地下ができたと自負している」。

 地下1階は阪神電車、大阪メトロなどに直結し、来店客の8割が利用する中心フロアだ。阪神食品館は洋菓子ワールド、惣菜ワールド、リカーワールド、生鮮ワールド、和菓子ワールド、銘店ワールドで構成する。同店でデビューする新ブランドや西日本初、デパ地下初のブランドが多数登場した。

 新ブランド12店を含む33店が軒を連ねる洋菓子ワールドには、約100メートルのスイーツストリートを設けた。JR東京駅の商業施設「グランスタ東京」で人気のバター菓子専門店「サブリナ」や、東京・白金発祥の洋菓子店「ラ・メゾン白金」が西日本初の常設店を出店。開店と同時に大勢の顧客が並び、多くの店舗で行列ができた。

 惣菜ワールドには、新ブランド19店を含めた約50店が並ぶ。「とくにエスニック惣菜と弁当を強化」(山口社長)。関西で人気のタイ料理店やベトナム料理店、メキシコ料理店などがデパ地下初出店で出かけたエスニック惣菜のテイクアウトゾーンは圧巻だ。各店の小分けパック惣菜や弁当をワンストップで購入できるセルフ販売売り場「コンビニデリカ」も新たに加わった。象印マホービンの炊飯器で炊き上げたごはんで作ったおにぎり「象印銀白おにぎり」も人気を集めていた。

 さらにリカーワールドでは、とくに国産ワインとスパークリングワインを強化した。21年10月の2期オープンから同店が力を入れてきた顧客との接点を増やし、絆づくりを担うスタッフ“ナビゲーター”が中心となって運営するコミュニティスペースも新設した。

 「サブリナ」に並んでいた堺市の20代の女性は「西日本初上陸や日本初ブランドにはとても興味がある。普段は阪急で洋服や食品を買っているが、阪神も他にない商品をもっとそろえてもらってテーマパークのような店になってほしい」と期待を寄せた。奈良市の女性も「阪急、阪神で買いものをすることが多く、生鮮品など食料品はずっと阪神で買っている。今日はエスニックスープのアジアンスープを購入した。スイーツや象印のおにぎりなど気になる店がたくさんあるので、今度ゆっくり買いに来たい」と話す。
 非食品売り場への集客策について山口社長は「上層階にも買い回ってもらうためには食のフロアと同じコンセプトで提供しつづけることが大切」という。衣料品や生活雑貨でも日常の暮らしを軸にした売り場づくりを進め、くつろぐためのカフェスペースとの相乗効果で収益向上をはかりたい考えだ。

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