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阪神梅田本店がOMOで目指す「3方よし」

 8日に建て替え開業する阪神梅田本店2期棟は、OMO(オフラインとオンラインの融合)が一つの重要なキーワードとなっている。アップデートされ続ける売り場の魅力を、個性豊かな110人の「ナビゲーター」が顧客とのさまざまなタッチポイントを通じて届ける。それを可能にするデジタルインフラも整えた。ニューノーマルの新たな百貨店の形を示すことができるか。

 建て替え開業に際し、ファッションでは、マッシュスタイルラボのセレクトショップの新業態「タグドレス(TAG DRESS)」や、オンワードHDのOMO型業態「オンワードクローゼットセレクト(ONWARD CROSSET SELECT)」などが新規出店。2階化粧品ではAI測定を元にスキンケア商品をカスタムオーダーできる「ルルスィ(LU.LU.SUI)」が初のリアルショップを構えた。

 目新しい業態の出店だけでなく、クリエーターらとの協業を通じて常に話題のある売り場を作る。2階「アクセサリー・雑貨ワールド」では次世代クリエイターを発掘する売り場「クリエイターズヴィレッジ」があり、オープン時からは廃棄ダンボールを使うアーティスト島津冬樹さんの商品が並ぶ。EC構築支援のBASEも関西初のリアルショップ「ザ ベイス マーケット(THE BASE MARKET)」を出店した。旬のカルチャーを紹介するポップアップスペース「リアクロ イベントスペース」は月替わりでテーマを更新するほか、4階の宝島社の雑誌「リンネル(LIEIERE)」とコラボしたセレクトショップ「イッテンモノマルシェ ウィズ リンネル」は、誌面で活躍するスタイリストやモデル、コーディネーターのセンスで選んだブランドやアイテムをラインアップする。

 これらの売り場の魅力を店頭やインスタで発信するのが「ナビゲーター」の役割だ。今回のリニューアルでは、彼・彼女たちの力を活かすデジタルインフラを整えた。館の各所には、タッチパネル操作でナビゲーターのおすすめ商品やコーディネートなどを閲覧できるサイネージを設置。4階には大型スクリーンを備えた発信基地「コミュニティースタジオ」がある。ここでは売り場のライブ配信のほか、客を交えた公開ワークショップなども実施する。また建て替えオープンと同時にコミュニケーションアプリ「LINE」内で阪神梅田本店の公式ミニアプリをスタートし、これを通じてイベントやワークショップの事前予約が可能となる。

 阪急阪神百貨店の山口俊比古社長は「百貨店はただ仕入れて売ってればいい時代は終わった。お取引先やその周りにいる方々と同じ目線で最高の売り場を作ることが、結果的にお客さまへの提供価値の最大化につながる。われわれとお取引先、そしてお客さまの“3方よし”を実現する、そのために欠かせないのがOMOだ」と話す。

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