ファッション

人気の大襟ファッションは、一歩先を行くアレンジコーデで差をつける

 大きな襟が人気を呼んでいます。主流は、古風な見え具合の貴婦人服を思わせるタイプ。ファッションのクラシック回帰への流れが背景にあるようです。一方、いたずらっぽいピエロやピーターパンをほうふつとさせる襟も登場。大襟のトレンドを受けて、おしゃれの達人たちはさらにその先へ向かっています。フリルで縁取られた修道女ライクな大襟を、スマイルマークのカジュアルなスエットトップスに合わせたファッショニスタのように、きちんと感とカジュアルをクロスオーバーさせるのがイマドキ仕様です。

 マスク着用やオンラインでの対話が当たり前になり、顔周りに視線が集まりやすくなったこともあってか、襟に主張やキャッチーさを求める気分も強まっています。レディーな装いをまとえるうえに小顔効果も期待できるとあって、さらに勢いづきそうな大襟ブーム。コレクションルックを参考に、新アレンジをキャッチしていきましょう。

パンツと合わせて、上品×大胆なジェンダーミックスに

 大襟にはエレガントな雰囲気が漂います。このテイストを生かしてフェミニンにまとめるのが一般的なスタイリングでしたが、有力ブランドからはその先に誘うようなルックが提案されてきました。

 「クロエ(CHLOE)」のブラウスは、蝶々のような飾り襟が顔周りに華やかさを添えています。中央に縦に入ったスリットがセンシュアルなムードもプラスした、進化形の大襟ブラウスです。さらに、ボトムスもサルエルパンツ風のゆったりシルエットで太ベルトで主張。上半身はフェミニン、下半身はメンズライクというジェンダーミックスのスタイリングに仕上げました。このようにパンツと合わせるだけでめりはりコーデが完成します。

スーパーロング襟×着丈ロングで縦長効果はマックスに

 “襟”という枠を超えたボリュームの表現も打ち出されています。身頃と同化させることでダイナミックな動きを加えるアレンジです。

 「トリー バーチ(TORY BURCH)」のレースチュニック風ワンピースは、三角形の大きな襟が肩から胸を覆って、まるで短いベスト(ジレ)のよう。透けるレース地とのコントラストが際立っています。先端部分がウエスト近くまで届くスーパーロング襟は、縦長効果を発揮。ボトムスは黒のジャージー風パンツ、靴はトングサンダルで合わせています。チュニックとの相乗効果が生まれて、落ち感が強まりました。大襟はレイヤードルックにも生かしやすいディテールです。

淑女テイスト×パンク ダークロマンティックが新鮮

 顔周りに視線を引き込む大襟は、アクセサリーのような役割も果たしてくれます。ロマンティック気分を高めたいなら、ワンピースやスカートがおすすめです。

 チェック柄のワンピースに大きな白襟を迎えたのは「ロク(ROKH)」。繊細なレースをあしらい、丸みを帯びた襟は、中世の淑女を思わせるヒストリカルなムードを漂わせています。ワンピースはフリルやペプラムを配した英国ヴィクトリアン調。古風なコンビネーションにレザーのハーネスを巻き込むことでパンキッシュなディテールを交わらせ、相反するテイストをミックスして、芯の強い女性像を演出しました。

たっぷりの量感で着やせ効果も 優美なボリュームルック

 シャツやブラウスだけでなく新たにアウターにも進出した大襟は、コートに生かせば格好のアクセントに。付け襟で取り入れる選択肢もあります。

 ワンピースのように優美な「パトゥ(PATOU)」のコートは、真っ白な大襟が肩をショールのように覆い、大胆でクリーンな印象を顔周りに添えています。リュクスな雰囲気を高めているのは、耳と襟元に迎えた大ぶりのゴールドジュエリー。大襟は面積が広いので、アクセサリーをあしらうフィールドとしても使いでがあります。ボリュームたっぷりの袖口と身幅で自然な着やせルックに。ゆったりとしたシルエットに大襟は好相性です。

 大きな襟を生かした装いは、上品な雰囲気やジェンダーミックス、縦長シルエット、着痩せ・小顔効果など、うれしいメリットが盛りだくさん。取り入れる人が増えてきただけに、“もうひとひねり”遊びを感じさせるアレンジを加えたいところ。薄着になるこれからの季節に、ニュアンスを帯びたディテールはウェルカムです。

ファッションジャーナリスト・ファッションディレクター 宮田理江:
多彩なメディアでコレクショントレンド情報、着こなし解説、映画×ファッションまで幅広く発信。バイヤー、プレスなど業界での豊富な経験を生かし、自らのTV通版ブランドもプロデュース。TVやセミナー・イベント出演も多い

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