ファッション

「パブリックスクール」2016年春夏ニューヨーク・メンズ・コレクション

REPORT

NYらしいノームコア。ベーシックを一捻りのイマドキクリエイション

「DKNY」のデザイナーを任されたデュオによる「パブリック スクール」は、リアルクローズの街ニューヨークらしい、ノームコアでユニフォーム性の高いアイテムを、卓越のスタイリングテクニックでちょっとだけスペシャル見せた。

プレゼンテーションは、ブラック、ネイビー、ホワイト、シャンブレー、それにウィンドー・ペンという5種類のキー・ファブリックごとに5人のモデルを用意。各素材から5つのレイヤードスタイルを生み出した。どの素材でも共通のアイテムは、ベースボールブルゾン。はやりのショート&コンパクトなフォルムだが、前身頃のファスナー周りだけ生地をバイアスに切り替えることで、微妙な視覚効果を与えている。合わせるのは、バンドカラーのプルオーバーシャツなど。いずれもインナーはアウターよりも少し長く、裾がチラリと見える。

ベーシックなアイテムは、どれも絶妙なディテールと、スタイリングテクニックで凡庸からの脱却を図っている。たとえば、コットンピケのチェスターは、ちょっぴり強いショルダーライン。別のチェスターは首を詰めたナローなピークドラペルで、その上にナイロンブルゾンを羽織った。

イマドキのアイテムとスタイルからは安心感が漂う。アメリカやヨーロッパでは、一定の支持を得るだろう。しかし、セレクトショップのオリジナルが一歩も二歩も進んでいる日本では、今シーズンのアイテムは、それほどスペシャルに見えない。「パブリック スクール」でなければならない「何か」が欲しいところだ。

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