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「食×エンタメ」の大阪新名所 心斎橋パルコの地下食堂街をリポート

 コロナで開業を延期していた心斎橋パルコ地下2階の「心斎橋ネオン食堂街」が18日に開業した。全国初8店、関西初1店、心斎橋初13店を含む飲食店25店舗が出店。コロナの影響で当初出店を予定していたテナントの約半数が入れ替わったが、他の商業施設とは一線を画す個性的な顔ぶれに。料理だけでなく、エンタメありカルチャーありのカオスな食空間になった。

 リーシングを担当した矢花誠・心斎橋パルコ店次長は「コロナ禍に生き残った足腰の強い飲食店ばかり。料理を提供するだけでなく、エンタメ要素があったり、テイクアウトが強かったり、プラスαのアイデアと発信力があるユニークなメンバーがそろい、よりおもしろいフロアになった」と胸を張る。

ボディコン姿のバーテンダーが接客

 例えば、関西を中心に音楽イベントやクラブ、飲食店をプロデュースするトライハードジャパンは、大阪・長堀橋で展開する四川料理店「芙蓉苑」を出店した。音楽とエンタメと食を掛け合わせたエンタメ居酒屋で、店内にはDJブースも設置。音響や演出照明の下でポールダンサーの踊りやDJを見ながら本格的な四川料理を味わえる。

 アメリカ村の異次元空間ショットバー「ファープレーン」も、ファッショナブルかつフェティッシュでエンタメ性にあふれた大人の社交場を提供する。店名は異世界という意味を持ち、店内ではボディコンシャスなコスチュームに身を包んだバーテンダーたちが接客。代表のロビンさんは「初めての人もここに来て一緒に弾けてほしい。4月からは昼営業でケーキも用意しているのでカフェ使いしてほしい」と話す。

 ほかにもマジックとモノマネを楽しめるバー「Mr.Shinの店」や、全日本スナック連盟とパルコが共同企画したスナック「James’ dream」など個性的なスナックやバーが路地裏のように軒を連ねている。

 大阪を代表する行列必至のネオ酒場も集結した。フレンチおでんとシャンパーニュ・ワインが人気の「赤白」や、ノスタルジックな雰囲気の現代風大衆食堂「大衆食堂スタンド そのだ」、ガッツリ食事もちょい呑みも楽しめる「立喰酒場 金獅子」。西中島南方と堺筋本町で「金獅子」を展開するライオンヴィレッジの内山博登社長は「働き方や価値観が変わるなか、平日の昼間から呑んでも罪悪感を感じないような空間で、昼呑みをもっと根づかせていきたい」と話す。メニューは日替わりで390円までの低価格が特徴。心斎橋パルコ限定でプチ贅沢できる料理も提供する。

 ミシュラン1つ星を2年連続で獲得した鳥羽周作氏率いる、東京のフレンチレストラン「sio」のニューモダン&クラシック居酒屋「ザ・ニューワールド」も注目店の一つだ。音楽からアート、デザインまでこだわった空間の中で、sioのフィルターを通したジャンルレスなこだわり料理を提供する。「居酒屋はすべてが凝縮した集合体で、ある意味モダンで最先端。料理はお通しから出来立てを提供し、音楽も現代から70年代ポップスまでのプレイリストを作っている。服も音楽も好きで生きてきたわれわれならではの新しい居酒屋カルチャーをつくっていきたい」(鳥羽氏)。

K-POPアイドルグループと交流できる

 K-POPと韓国料理を楽しめる店舗も2店舗出店した。芸能プロダクションのプラスウインが初めて手がける「韓国酒場 K-LOVERS」は、プロジェクションマッピングでK-POPのミュージックビデオなどが流れ、エンタメと食を融合した韓国居酒屋だ。韓国人料理長がつくる本格韓国料理を豊富なメニューで展開する。日本未上陸の人気韓国料理を味わえるほか、店員として働くK-POPアイドルグループ「バズーカ」のメンバーとも交流できる。

 パステルカラーの色使いが時間帯で変化する韓流チキン店「ホンマニ チキン」は、K-POPのダンススタジオ運営のJYSによる飲食業態の2店舗目。店内には100インチのサイネージビジョンが設置されていて、韓国料理を味わいながらK-POPのミュージックビデオを鑑賞できる。来日した韓国の人気アイドルがコンサート後に立ち寄る店としても人気を集めそう。

 アメ村カルチャーの仕掛け人の一人で、同フロアのネーミングから関わったプロデューサーの古谷高治氏は、カルチャー酒場と喫茶の「TANK」も運営する。「大阪にしばらくの間、パルコがなかったので、どうせやるならめちゃくちゃおもしろいことをしようと思った。ネオンには、昭和レトロなネオンのイメージと、新しい心斎橋を起動させるという二つの意味がある。人が集って交流して新しいものが生まれる場をつくり、街に活気がもどるようにしていきたい」と話す。

橋長初代(はしなが・はつよ)/流通ライター:同志社女子大学卒。ファッション専門誌の編集を経てフリーランスのライターに。関西を拠点に商業施設、百貨店、専門店、アパレル、消費トレンド、ホテル、海外進出などの動向を「WWD JAPAN.com」「日経クロストレンド」などに寄稿。取材では現場での直感と消費者目線を大事にしている。最近の関心事は“台湾”と“野菜づくり”と“コロナ後のファッションビジネス”。「リモート取材が浸透すれば、もっと取材先を広げていきたい」

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