ファッション

「美容室で服を売らない理由がない」 エザキヨシタカ「グリコ」代表が語るサロンの収益力アップ術

 人気ヘアサロン「グリコ(grico)」では、店内と独自のECサイト“グリコ クロージング”で服を販売している。売り上げは非常に好調で、サロンの収益性向上に大いに貢献しているという。ここではエザキヨシタカ代表に、服の販売の仕組みと可能性について聞いた。

WWD:取り扱う服はどうやって入手している?

エザキヨシタカ「グリコ」代表(以下、エザキ):服は、日本の若手デザイナーとコラボして制作したり、海外で買い付けたりしています。買い付けは、以前はイタリアやタイなどへも行っていましたが、最近は韓国で行うことが多いですね。

WWD:どのような服を仕入れている?

エザキ:「グリコ」が提供するヘアデザインに合わせ、モード系や“大人めストリート系”のデザインの服を多く仕入れています。1回の買い付けで100着くらい仕入れ、それが大抵1カ月~1カ月半で完売となります。価格帯は8000~4万円程度ですね。売り上げは非常に好調で、サロンの収益性向上に大いに貢献しています。

WWD:好調の秘訣は?

エザキ:好調の秘訣は“美容師ならではのバイイング”にあります。一人のお客さまをイメージし、「あの人に着てほしい」と思える服を買い付けます。実際にそのお客さまが購入してくれなくても、「グリコ」のヘアデザインを気に入って通ってくれている人の嗜好には共通点があるので、他のお客さまが購入してくれる可能性も高い。美容師はお客さまのライフスタイルを熟知しているので、例えば「来月から新生活が始まるのでこれまでとは違うテイストの服を」とか「旦那さんに似合いそう」とか、美容師ならではの提案もできるんです。また、ヘアサロンの最大の強みは、お客さまが平均して2時間近くも鏡の前に滞在してくれること。服を取り扱えばその分会話のネタも増えるし、結果的に会話が服の宣伝にもつながります。服を購入してくれたら、それに合わせたヘアアレンジを提案してあげることもできるんです。

WWD:「グリコ」で服の取り扱いを始めたきっかけは?

エザキ:2011年の東日本大震災がきっかけでした。美容師は技術職なので、体を動かさないと稼ぐことができません。そうである以上、思わぬ災害や病気で体を動かせなくなった時点で収入が絶たれてしまいます。スタッフが安心して働ける環境作りのためには物販の強化が必要で、最もビューティにマッチした商材としてファッションに目をつけたんです。

WWD:服は顧客以外にも販売している?

エザキ:現在は、仕入れた服を他のサロンにも卸していて、取り扱いサロンは増えつつあります。もちろん、どんなサロンでも取り扱えば成功するわけではありません。取り扱うには、ヘアサロンとして明確なヘアアデザインを打ち出せていることが重要。ヘアとファッションは一体なので、ヘアデザインのテイストにマッチした服を提案することができます。逆に言うと、それができていれば服を取り扱わない理由がなく、美容師にとってもファッション関係者にとっても、ビューティとファッションの融合には可能性しか感じないですね。

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