こんにちは。「WWDジャパン」編集長の向です。9月に入り、少しずつイベントが動き出しました。慎重に、でも盛り上げることを諦めず、ですね。そして週刊紙「WWDジャパン」は今月から“ファッション&ビューティ”のメディアにリニューアルしました!ここには書いていませんが連日、社内ではファッション×ビューティでいかに盛り上げるかの特集ミーティングが続いています。面白くなってきました。
9月1日(火)
マックィーン新旗艦店で
サラの包容力に触れる
「アレキサンダー・マックイーン(ALEXANDER McQUEEN)」と言えばいまだに黒くて強くてスカルでサディスティックだと思ってしまう方もいるでしょう。そんなファッションラバーのあなたはどうぞ一度、新コンセプトでオープンした表参道店に行ってみてください。サラ・バートン(Sarah Burton)の懐に包まれるような温かさを体感すると、リー・マックイーンの呪縛からゆるゆると解かれ、「時代は進んだのだ、そしてマックイーンというブランドはやはり力強い」と思えるハズ。力強さの理由のひとつは自然に敬意を払ったインテリアでしょう。本当に素晴らしい!店を訪れたらぜひ試着室に入ってその空間を体感してください。母の胎内にいるような(覚えてないけど)、不思議な気分になりますよ。
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店の主役は奥に見える大きな筒状のフィッティングです
どっしりとした布に包まれて落ち着く広い空間
フィッティングの内側に入ってみた
什器は選び抜かれた大理石
1階のバッグコーナー
コットンと石膏から作られた“コットンクリート”を採用
売れ筋のシューズ
もちろんスカルのアクセサリーもあります
大判のストールが人気だそう
階段がきれい。洞窟を抜けるような感覚です
表参道の並木が窓一杯に広がる2階
インテリアは「カール・ハンセン&サン」で統一
ガラス張りの外観に緑が映る
9月2日(水)
水曜日、開店前の伊勢丹新宿は
やる気に満ちていた
8月末~9月頭の水曜日の朝、開店前の伊勢丹新宿本店の従業員通用口に立っていると、知り合いが次々と登場します。水曜日は伊勢丹のプロモーションの切り替えのタイミングで、業界関係者が設営や応援販売にくるからです。バイヤーも勢ぞろい。秋の立ち上がりのこの時期は皆さん気合が入っていて、こちらもアドレナリンが出ます。
この日は本館1階にオープンした自主編集売り場「イセタン シード」などを見に来ました。全館から100ブランド約1300点を選んで並べてあり、広い百貨店をくまなく歩かずとも一押し商品をまとめて見ることができるというコンセプト。フロアごと、セクションごとに分断されがちな百貨店のMDをエイヤッと再編集しており“何かありそう”と思わせます。思い切りましたね~。待ち合わせ場所にも最適です。開店前の1時間に少しで多くの新しい売り場を見ようと走り回っていると、伊勢丹で応援販売をしていた時代を思い出します。新商品の立ち上がりってなんだかんだ店頭はテンションが上がるのですよね。
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百貨店の入り口すぐという一等地に白いTシャツを展開するとは大胆
膨大な商品に囲まれて説明をする小林嵩同店婦人雑貨バイヤー
アクセサリーブランド「ナナナナ」とコラボした現代美術家の井田幸昌さんの作品
同日「ディオール」のポップアップに訪れていた新木優子さんをキャッチ
2階でMD計画部部長の橋爪さん(左)とクロスMD営業部バイヤーの大田さんと再会
9月2日(水)
「ルイ・ヴィトン」のショーに
テンションうなぎのぼり
「ルイ・ヴィトン(LOUIS VUITTON)」が、東京でドカンとやってくれました。2021年春夏メンズ・コレクションの会場に着くと久しぶりにテンションがうなぎのぼり。この時期にこの規模のイベントを開くことは決断だし、調整が山ほど必要だったはず。“ファッションを通じてワクワクを生み出して届けるのだ~”というヴァージル・アブロー(Virgil Abloh)の情熱がビシバシ伝わってきます。最後に東京湾海上に花火が打ちあがったときはジワリと来ました。そして、デジタルコレクションがリアルのショーとは別の編集であり、なおかつリアルと同じくらいのインパクトがあるのがすごい。下の画像はリアルとデジタルのスクショを織り交ぜてみました。
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会場は東京国際クルーズターミナル
パリ→上海と運ばれたコンテナからモデルが出てくる設定
いやいやいやいや、なんだこれは!
そうか!ゴム人間か!
ちょい悪なモデルが群像で闊歩
なるほど、このイメージですね!
見事なシンクロ
映像の中でも「ルイ・ヴィトン」のトランクを開けています
フィナーレです
おまけカット。ショーに向かう車の中から阪急百貨店さんにズーム取材をしたらやや怪しい感じになりました
9月15日(火)
今年も楽しんだ
「日本メガネ大賞」の審査会
3年目となる「日本メガネ大賞」の審査会へ。在宅勤務が増えたことでコンタクト使用者がメガネ派へ転向するケースが増えていますよね。オンライン会議でほぼスッピン+メガネの女性の姿をよく見ます。メガネはもはやメイクの一部なのです。表情を決定づけるフレームの色やカタチ、質感は重要。そんなことを考えながらじっくり選ばせていただきました。
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9月16日(水)
「アルペン」の会見は
“数字で語るデザイン”
スポーツ専門店「アルペン」の自社ブランド「ティゴラ(TIGORA)」の事業説明会へ。おもしろかったのが、デザインの説明に数値がバンバン出てきたことです。ストレッチが効いたパンツの説明は「横に14%、縦に8.5%の伸縮率があります」となり、とても軽いコートのアピールは「540グラムです」。そしてとても保温性が高いアウターについては、「着ると体感温度は約5.9℃上がります」と超具体的でした。さすがスポーツが出自の会社ですね。見た目はシンプルなデザインが多いからこうやって数値で聞くと納得。接客もしがいがありそうです。
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アルペンの水野敦之社長。得意なスポーツはスキー
美濃島記者が体験試着。全身で寒さを表現しています
サーモグラフィで見ると実際冷えていることがわかります
あったかアウターを試着中
脱いでみると本当にポカポカ
「ティゴラ」には「ビームス」とのコラボも
9月16日(水)
今秋一番の話題
「心斎橋パルコ」のオンライン会見
この秋、商業施設の一番の話題は11月後半に開業する「心斎橋パルコ」でしょう。この日はオンラインで記者会見が開かれ出店テナントなどが発表されました。「サカイ(SACAI)」など人気ブランドがそろうデザイナーゾーンに加えて、1フロア丸ごとの「無印良品」や、8階のスポーツに新しい提案がありそう、と予想しています。
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9月17日(木)
最新号と
在宅勤務のお供
今月から「WWDジャパン」はファッション&ビューティの週間紙としてリニューアルしました。生活では服とメイクは切っても切れない関係ですが、“ファッション業界”と“ビューティ業界”となるとほぼ没交渉なのが現実。百貨店の売り場もきっちり分かれていますよね。掛け算をすればより豊かな提案ができるはずなのにもったいない!という訳で「WWDジャパン」は両方のビジネス情報を同時に得ることができる構成に変えました。特に今月は毎週、ファッション×ビューティをテーマにした特集を連打。私自身、これまでほぼ取材してこなかったビューティの話題がバンバン耳に入ってくるようになり刺激的です。
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9月7日号はファッションとビューティの両業界を知り、楽しんでいる人たちをインタビュー。表紙はその代表者、渡辺直美さんです
9月14日号は「D2C特集」。顧客の声に向き合い続けるD2Cは商売の基本のキであることがよくわかる特集です。カバーオンは「ティファニー」。吉沢亮さんの美しさに刷り上がりに歓声が上がりました。そしてそのおかげもあり紙版の販売部数が嬉しいことに
9月18日には号外で「ルイ・ヴィトン」特集を発行。カバーオンも本紙も丸っと全部、東京で開かれた2001年春夏メンズ・コレクションをリポートしています。迫力あるでしょ!
自宅での仕事にはよい香りが欠かせません。今夏ハマったのが、青森旅行で買ったひばのオイル。焚けばそこは一瞬にして奥入瀬の清流です。もうなくなっちゃう(泣)