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2019年度TOP100ランキングから見る、世界のビューティ業界が拡大した2つの要因

 米「WWD」が毎年発表する「世界のビューティ企業ランキングTOP100社」の2019年版が明らかになり、「WWDビューティ」6月18日号でお伝えした。19年も18年に続き、1位ロレアル(L'OREAL)、2位ユニリーバ(UNILEVER)、3位エスティ ローダー(ESTEE LAUDER)のトップ3は相変わらずの強さを見せつけた。日系企業では資生堂が5位と、アジアトップのポジションを保持した。ビューティ業界の好調は、2つのトピックスから見てとれる。また、今後に期待の初ランキング企業とは−−。

好調の要因1、スキンケアの伸長

 上り調子のビューティ業界をけん引したのは数年伸び続けるスキンケアなのだが、それを裏付けるように、ロレアルはドクターズスキンケアを扱うアクティブコスメティックス事業部が過去最高の伸長率を達成し、エスティ ローダーは約5年ぶりにスキンケアの売り上げがメイクアップを上回った。また、プロクター・アンド・ギャンブル(PROCTER & GAMBLE)の「SK-II」は20期(四半期換算)連続で2ケタ増を記録している。

好調の要因2、中国市場の成長

 スキンケアの好調に加え、業界の拡大の奏功は、やはり中国、およびアジア市場の成長と言えるだろう。ロレアルは18年からアジアパシフィックが最大の市場となり、LVMH モエ ヘネシー・ルイ ヴィトン(LVMH MOET HENNESSY LOUIS VUITTON)はビューティの売り上げの45%はアジアが占めるほどになっている。TOP100のランキングからも、今年は中国企業が順位を上げ、さらに株価の騰落率ランキングにも複数ランクインするなど、Cビューティへの期待度が伺える。また、エスティ ローダーが韓国発「ドクター ジャルト(DR JART+)」を擁するハブ&ビー(HAVE & BE)を買収し、初めてアジア企業を傘下にしたり、ユニリーバが日本のスキンケア企業、レノア・ジャパンの株式70%を取得したりするなどアジアブランドの買収も目立った。

初ランクインの企業は北米から

 今回、初めてランクインした企業も多くあったが、中でも2つの企業をお伝えしたい。カナダ発のデシエム(DECIEM)と人気インフルエンサーが手掛ける米国発フーダ ビューティ(HUDA BEAUTY)だ。デシエムは原液にフォーカスし、低価格のスキンケアを展開する「ザ オーディナリー(THE ORDINARY)」をはじめとするユニークなコンセプトのブランドを複数抱え、「フーダ ビューティ」はSNSで多数のフォロワーを持つイラク系アメリカ人のフーダ ・カタン(HUDA KATTAN)がプロデュースするメイクアップが若年層にヒットし、急成長している。20年のランキングではどこまで順位を上げれるか、また日本への上陸も期待したい。

 今回のランキングは2019年の1年間のビューティの売り上げを計算したもので、20年から世界中で猛威を振るう新型コロナウイルスの影響は反映されていない。上期はその影響を大きく受けるのは間違いないが、新型コロナがいち早く収束に向かった中国では早速、“リベンジ消費”が話題となるなど市場が回復し始めているのも間違いない。ただ、業界全体が回復し以前のような成長に向かうまでにはしばらく時間が掛かると予想する。20年のランキングは、ウィズコロナの時代に変化する消費者のニーズをいち早く察知し柔軟に対応できるかで業績に明暗が分かれそうだ。