ファッション

「孤高の美学」から「一致団結へ」 ミッドウエストのバイヤーが政府への呼びかけに参画・賛同した理由

 緊急事態宣言が31日まで延長されたことも背中を押し、ファッション業界にも、一丸となって都や国に働きかけようという動きが大きくなってきた。発起人の1人は、シューズブランド「ユナイテッド ヌード(UNITED NUDE)」日本法人の青田行社長。名古屋に拠点を構え、東京と大阪でもセレクトショップ「ミッドウエスト」を手がけるファッションコアミッドウエストの大澤武徳バイヤーも賛同し、業界の結集を呼び掛ける。大澤バイヤーに、「ミッドウエスト」を取り巻く環境と、政府へのアクションについて聞いた。

WWD:現在(取材は5月6日)の状況は?

大澤武徳「ミッドウエスト」バイヤー(以下、大澤バイヤー):名古屋と東京、大阪の店舗をクローズしている。売り上げは、例年の半分。オンラインは(前年同期比)150%くらいで伸びているが、落ち込み分をカバーするには至らない。ベテランスタッフは、SNSで接客してオンラインに誘導。「1点でも消化しないと」と頑張っているが、高額商品やデザイン性の高い洋服はまだまだ難しい。一方の中堅~若手は、動ける範囲内で動いてはいるが「どうしたらいいんだろう?」と悩んでいる。大手も含め今を「自己啓発の機会」と捉えているが、現実的には難しい点も多い。緊急事態宣言が1カ月延長され、双方の不安はさらに募っている。そこで、名古屋から営業を再開しようと思っている。まずは11日から予約制で。安全を守りながら、秋冬の商品を迎える体制を作り始めなければ。

WWD:だからこそ、青田社長たちのアクションに賛同・参画した?

大澤バイヤー:青田さんとは10日ほど前から、「延長されたら、より大変になるね」と話していた。補償のない今、業界は「ただ休んでいるだけ」の状態。じっとしては、いられない。金額的に十分な補償ではなくても、行動を起こして結果に繋がったとしたら、「政府が、自分たちを気にかけてくれている」と知ることができる。それは、ベテランから若手までの「悩み」を緩和するかもしれない。今は、小売も、メーカーも、工場も、みんな大変。あらゆる業界が大変。だから団結し、まとまって、何かができないか?と思っていた。

WWD:“一匹狼”がカッコいい的な「孤高の美学」も存在する業界だ。それでも今は、「団結」が大事?

大澤バイヤー:正直、僕もそういうタイプだったと思う。でも今は、「新しいことを、なにか、一緒にやりませんか?」と思っている。アフターコロナも、相当大変だろう。これを機に、色々協力していかないと。例えば今週から、37の県では店舗営業が再開できるようになってきた。地方のショップに、都心のセレクトがポップアップをオープンする。そんな協業を生み出したい。代わりに「ミッドウエスト」は地方から上京した先駆的存在として地方店の相談に乗る。神南の店舗の一角は、地方店のポップアップにしてもいい。地方の一番店のオーナーは、我は強いかもしれないけれど、話すと共感できる。異なる店舗が協力して別注品をオーダー、なんて試みもあるだろう。1つの地方店では10しか発注できなくても、複数の地方店と「ミッドウエスト」が「協力」すれば100発注できるかもしれない。それは、ブランドに対する小売店の「協力」になるだろう。地方のオーナーやバイヤーにはアツい人が多く、顧客も多い。政府への働きかけも、賛同してくれたら多くの署名が集まる。発信しなければ、忘れられてしまう。今はまず、協力して、意志を示すことが大事だ

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