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花王の“第二の皮膚”を発売してからの反響は? 「購入客の8割以上が新客」

 花王は2018年11月に発表した“第二の皮膚”技術「ファインファイバー 」を製品化し、花王の「エスト(EST)」とカネボウ化粧品の「センサイ(SENSAI)」に導入。デバイスに化粧液をセットして噴射することで、極細の繊維が肌の上にベールを形成するという新発想のスキンケア「バイオミメシスヴェール」は発表時に大きな話題を呼んだが、昨年12月4日に発売後、その売れ行きや反響はどうなのか?今回、中屋英昭・花王コンシューマープロダクツ部門ソフィーナ事業部 エストグループ シニアマーケターと、小島正也・カネボウ化粧品 マーケティング部門 センサイ ブランドグループ マーケティング部長に聞いた。

 両ブランドともに売り上げは計画通りだというが、新客獲得に一役を買っている。中屋シニアマーケター(エスト)は「新たなナイトケア提案であることに加え、ベールを剥がすという見た目のインパクトから、多くのお客さまからの問い合わせがあった。また、日本のみならず海外(アジア圏)でも話題になっている」とコメントし、小島・マーケティング部長(センサイ)は「お手元でデモンストレーションをするとみなさま一様に驚かれ、『効果に期待できる!』とのお声をいただいている」と話す。

 また、「センサイ」はカネボウのプレステージグローバルブランドとしてこれまで日本を除く40カ国で展開してきたが、19年9月に日本にも投入し、伊勢丹新宿本店や阪急うめだ本店に出店した。「バイオミメシスヴェール」は、日本に逆輸入した「センサイ」の日本での認知度向上にもつながったという。「購入客の6割以上が『センサイ』製品を初めて購入した方で、昨年9月に日本に投入した新規ブランドとしては、お客さまにブランドを知っていただくよい機会になった。年齢層は大人世代から20代まで幅広く、訪日外国人のお客さまにもお買い上げいただいている」。一方の「エスト」でも新客誘導のきっかけとなり、「ご購入いただいたお客さまのうち8割以上が新客であり、この商品に対する関心や期待の高さがうかがえる。年齢や性別に関係なく、また海外からの指名のお客さまも増えている。購入者からは、『新しいスキンケアにワクワクした』『まだ一日目だけど肌がもちもちする』など驚きの肌実感の声を頂戴している」と中屋シニアマーケター。

 「エスト」の「バイオミメシスヴェール」は12月にリニューアルした花王の情報発信基地ショップ「ビューティ ベース バイ 花王(BEAUTY BASE BY KAO)」で発売し、体験イベントなどを行ってきた。同ショップの入店客増加にも貢献し、12月の来店者数は前年同月比80%増と好調な滑り出しだという。花王の広報担当者は「花王では現在、ESG(環境・社会・ガバナンス)を根幹に据えた経営戦略のもと、『ファインファイバーテクノロジー』を社会課題解決のためのソーシャルイノベーションのひとつとして位置づけている。同技術は化粧品のみならず、医療領域への展開も視野に入れて研究を進め、将来的にさまざまな商品や顧客サービスなどに応用できればと考えている」と、「ファインファイバーテクノロジー」の今後の可能性に期待を寄せた。

 なお、「センサイ」の「バイオミメシスヴェール」は1月20日に英ハロッズ(HARROD’S)でも発売し、2月には仏ボンマルシェ(LE BON MARCHE)でも取り扱いを開始する。日本の免税店での販売も今後スタートする。「エスト」は現在直営店と百貨店6店舗で展開しており、3月6日には販売拠点を大幅に拡大して全国約100店舗に導入する。海外でも順次、アジア圏での販売拠点を増やす予定だ。

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