ビューティ

“既存ファンを裏切らない”改良目指した7年間、人気の「プリマヴィスタ」化粧下地が初リニューアル

 花王のベースメイクブランド「ソフィーナ プリマヴィスタ」は今年でブランド誕生10周年を迎える。その記念すべき年に、代表アイテム「皮脂くずれ防止化粧下地」が初リニューアルする。価格は現行品と変わらない2800円(編集部調べ)で、3月6日に発売。発売した年から下地部門で8年連続売り上げ1位のヒット作だ。

 発売当初は肌のテカリによる崩れに着目した化粧下地の先駆けだったが、今や化粧下地市場の48%が化粧崩れの対策をしており、そしてその約半数をこの「プリマヴィスタ 皮脂くずれ防止下地」が占める。ターゲットは20〜30代の女性で、若い女性特有の皮脂悩みに対応する商品だったため、大人の女性が悩む化粧とれやヨレには対応できていなかった。今回のリニューアルでは25〜49歳をターゲットに変更。テカリ防止機能をより高めるとともに肌への密着を高める機能を加え、幅広い年齢の女性にアプローチするアイテムに仕上がった。

 これまでは皮脂を固めることでテカリを防いでいたが、新採用したオイルブロック処方はそれでも出てくる皮脂を吸収。さらに皮脂を固める粉体を30%増やすとともに、高密着皮膜形成処方によりファンデーションのとれ・ヨレを擦れや湿気から防ぐアイテムに進化させた。

 単に機能を向上させるためだけに7年を費やしたわけではない。多くのファンを抱えるアイテムであるがために、改良は慎重にならざるを得なかった。成分がひとつ変わるだけでも使えなくなる人がいる。また、質感が変わりすぎて既存ファンが離れていく可能性もある。オイルブロック処方では1000以上の処方を検討し、試行錯誤を繰り返した。完成した改良版は塗り上がりがサラっとした質感で、さらにボトルデザインも高級感のあるピンクゴールドのキャップに変更したが、どちらも愛用者に違和感のない程度にとどめている。

 化粧下地はファンデーションに比べれば使用率は低く、まだまだ成長の余地がある市場だ。これまでより幅広い層にアプローチする新しい「皮脂くずれ防止下地」が、どこまで勢いを増すのか注目したい。

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