コンパニー フィナンシエール リシュモン(COMPAGNIE FINANCIERE RICHEMONT以下、リシュモン)は9月28日、傘下に持つデルヴォー(DELVAUX)の新たな最高経営責任者(CEO)として、同じく傘下に持つカルティエ(CARTIER)のヤニナ・ノヴィツカヤ(Yanina Novitskaya)東南アジア&オセアニア担当CEOを任命した。12月1日付で就任し、フィリップ・フォルトゥナト(Philippe Fortunato)=リシュモン ファッション&アクセサリーメゾン部門CEOの直属となる。現在デルヴォーを率いるジャン・マルク・ルビエ(Jean-Marc Loubier)CEOは引き継ぎの後、12月末に同社を離れる見込み。
新CEOは19年間「カルティエ」に在籍
ノヴィツカヤ新CEOは、モスクワ国立デザイン・テクノロジー大学(Moscow State University of Design and Technologies)などを卒業。2007年にカルティエに加わり、ロシア・ウクライナ・CIS(独立国家共同体)地域でマーチャンダイジングやオペレーション分野の経験を積み、18年から22年9月まで同地域のマネージング・ディレクターを務めた。22年10月から現職。
「デルヴォー」は世界最古の高級皮革製品メゾン
「デルヴォー」は、1829年にチャールズ・デルヴォー(Charles Delvaux)がベルギー・ブリュッセルで創業。これはベルギーが独立国となる1年前、「エルメス(HERMES)」創業の8年前で、世界最古のラグジュアリーレザーグッズブランドといわれている。33年にベルギー王室御用達として認定され、1908年には皮革製ハンドバッグのデザイン特許を世界で初めて申請。58年には、現在もベストセラーであるアイコンバッグの“ブリヨン(Le Brillant)”を発表した。その後、紆余曲折があり、2011年には香港を拠点とする繊維商社大手リー&フォン(LI & FUNG)が擁する投資会社ファースト・ヘリテージ・ブランズ(FIRST HERITAGE BRANDS)が過半数株式を取得。同社を率いていたルビエCEOが、デルヴォーのCEOに就任した。同氏は19年に退任したものの、21年にリシュモンがデルヴォーを買収したことに伴いCEOとして復帰した。なお、日本には14年に進出。デルヴォー ジャパンを設立したが、23年にリシュモン ジャパンに統合されている。
現CEOはブランドの若返りと事業再建に貢献
ルビエCEOはラグジュアリー業界での経験が豊富で、LVMH モエ ヘネシー・ルイ ヴィトン(LVMH MOET HENNESSY LOUIS VUITTON以下、LVMH)に16年間在籍。うち10年は、ルイ・ヴィトンのCEOとしてブランドを率いた。また、同じくLVMHが擁するセリーヌ(CELINE)のCEOのほか、エスカーダ(ESCADA)のCEOも務めた。デルヴォーでは、ブランドをフレッシュによみがえらせるとともに、米国、英国、中国、日本、韓国など世界のさまざまな市場への進出を指揮。海外市場での売り上げを大幅に伸ばし、事業再建に大きく貢献した。なお、同氏の今後については明らかにされていない。
フォルトゥナト=ファッション&アクセサリーメゾン部門CEOは、「ヤニナのラグジュアリー業界に関する豊かな知識は、『デルヴォー』の次章に不可欠なものだ。独自のポジショニングをさらに強化し、プロダクトの魅力やグローバルな成長をさらに推進してくれるだろう。また『デルヴォー』のユニークなアイデンティティーを強化し、比類のないクラフツマンシップを大切にしながら、世界的なラグジュアリーメゾンへと導いてくれたジャン・マルクに深く感謝する」と語った。