コンパニー フィナンシエール リシュモン(COMPAGNIE FINANCIERE RICHEMONT以下、リシュモン)は9月9日、ヨハン・ルパート(Johann Rupert)会長の息子であるアントン・ルパート(Anton Rupert)非業務執行取締役を、同日付で非業務執行共同副会長に任命した。
ルパート新非業務執行共同副会長は、1987年生まれの39歳。2017年からリシュモンの非業務執行取締役を務めるほか、傘下に持つ高級時計の2次流通企業ウオッチファインダー(WATCHFINDER)の取締役を18年7月から19年12月まで担った。また、さまざまな企業の社外取締役や、ルパート会長の持ち株会社コンパニー・フィナンシエール・ルパート(COMPAGNIE FINANCIERE RUPERT)のパートナーを務めている。
共同副会長2人で役割を分担
24年に就任したブラム・ショット(Bram Schot)=リシュモン非業務執行共同副会長は、取締役会や執行委員会、グループ全体のコーポレートガバナンスに関する事柄を統括する。一方、ルパート新非業務執行共同副会長はグループや傘下メゾンのクリエイティブおよび商業的な方向性や継続性を確かにするべく、戦略的プロダクトおよびコミュニケーション委員会(Strategic Product and Communications Committee)に関連する事柄を統括。2人は「ガバナンス」「創造性や商業性」と、互いに補完的な役割を担うこととなる。
「後継者育成計画における重要なステップ」と会長
ルパート会長は、「今回の人事は、取締役会の長期的な後継者育成計画における重要なステップだ。当社の強みは、創業家の深い関与、厳格なガバナンス、クリエイティビティーとクラフツマンシップへの揺るぎないコミットメントを土台とした事業の継続性にある。アントンとブラムが非業務執行共同副会長としてともに働くことで、これらの重要な分野をしっかりとカバーすることができる。彼らは長期的な視点、メゾンを支える人々やサヴォアフェール(受け継がれていく匠の技)への敬意、そして責任を持って事業を後世へと承継していくための規律という、リシュモンを導いてきた価値観を体現している」と語った。
リシュモンは、ルパート会長の父が1940年代に南アフリカで設立したレンブラント・グループ(REMBRANDT GROUP、当時)を前身としている。タバコ事業のほか、金やダイヤモンドの鉱山事業を行っていた同社の海外資産を分離する形で、ルパート会長が88年に設立した。以来、トップとして長年にわたり事業を率いてきたものの、同氏は現在76歳。以前から息子が後継者であることを示唆していたが、今回それを明確にした。