ビューティ

不完全なメイクがAIの完璧主義への反逆として台頭 “あえて”滲ませ、ラフに

近年、AIは恐ろしいほどに高度化し、本物と偽物を見分けるのが難しくなっている。AIインフルエンサーの登場に伴い、人間離れした違和感を感じるほどの完璧な仕上がりが広がった。SNSのフィードが作り込まれた偽物のように感じられ、それに逆らうかのようにあえて崩した不完全なアイメイクに注目が集まっているのだ。

グッチ(GUCCI)」の2026-27年秋冬コレクションのランウエイで、モデルたちがアイシャドウとアイライナーでアライグマのように目元を縁取るメイクや、歌手のチャーリーXCX(Charli XCX)のミュージックビデオの“ロック ミュージック(Rock Music)”に登場するアイメイクは、大胆でどこかラフな印象だ。TikTok発のバズテクニックの“トラスト ザ プロセス(Trust the process)”のトレンドにも見られる“あえて”崩れたアイメイクは、真似しやすいだけでなく何よりもリアルさが魅力として受け入れられている。

“インパーフェクト”は人間にしか出せない

ジャーナリストであり美容専門家のクリスティーナ・ロドルフォ(Kristina Rodulfo)は、にじんだアイメイクに影響を受け、あえて崩れたメイクをしたくなる社会的要因を分析した。ロドルフォ氏は、「今や、AIによって生成された美容インフルエンサーも存在し、エアブラシで加工されたような完璧な肌や、コンピューターで生成されたメイクを施している。剥がれたマスカラや寝過ごした後のこすれたアイライナーといった不完全さは人間にしか出せないものだ」と語った。

さらに、「ここ数年で主流となった清潔感と引き算された自然体な美しさを価値とする“クリーン ガール エステティック(Clean girl aesthetic)”の普及も加わり、そのルックスに対する募りつつある倦怠感と、排他的で盗用的だという批判が相まって、正反対のものを求めるようになった」と指摘する。

メイクアップアーティストのミッチ・ヨシダ(Mich Yoshida)も同意見だ。「人々は、計算されたメイクに飽きている。ラフな目元は、感情や動き、そして予想外な感覚を取り戻してくれる。より自然でパーソナルな印象になり、まるでカメラのためだけに存在するメイクではなく、その背後にストーリーがあるかのようだ」と語った。

このルックを真似したい人に向けて、ヨシダ氏は「クリーミーな製品が一番適している。一日中自然に伸びるからだ。目の周りに塗って、指か小さなブラシで外側に向かってぼかすのがポイント」とアドバイスした。吉田氏のおすすめは「M・A・C」の“プロロングウェアペイントポット”と、キム・カーダシアン(Kim Kardashian)の専属メイクアップアーティストのマリオ・デディヴァノヴィッチ(Mario Dedivanovic)が手掛ける「メイクアップバイマリオ」の“マスターマットロングウェアクリームアイシャドウ”だ。「ポイントは、考えすぎず、あまりわざとらしく見えないようにすることだ。少しムラを残した方が、かえって自然に見える」とコメントした。

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