
映画やドラマから音楽、スポーツに至るまでの多様なカテゴリーと、次々現れる新たな“推し”、そして界隈の外から見ると時に普通じゃないように思えるファンダムの応援などにより、推し活市場は巨大かつ魅力的なもののように見える。しかし、実際そうなのだろうか?さまざまな統計や分析から考える推し活市場の“旨味”を考えながら、まずは現実的な参画の第一歩を考えてみたい。(この記事は「WWDJAPAN」2026年5月18日号からの抜粋です)
さまざまな統計があるものの、推し活市場の規模は現在約4兆円。すでに15~69歳の3人に1人、約2000万人の老若男女がなんらかの推し活に取り組んでいるが、人口減少時代にもかかわらずその数は遠くない将来2600万人にまで膨れ上がるのではないか?との予測もある。また推し活は、日本のみならず世界に拡大。ファッションの世界では、ミラノやパリ・ファッション・ウイークに来場するセレブのためにファンダムが大挙して会場を訪れ一角を占拠したり、その前後に現地で交通広告を掲出したり、ブランドの公式アカウントやメディアによる来場シーンのSNS投稿はケタ違いのインプレッションと共に拡散したりは当たり前となった。
出典:推し活総研
出典:推し活に関する基礎調査(NRI 実施)
特にSNS投稿においては、推しの更なる活躍に貢献しようとするファンダムの応援(リアクション)は、洗練の度合いを増している。彼らは事前にどんなハッシュタグで検索すれば、推しに関する投稿を見ることができるかを共有。投稿が少しでも世の中に広まるよう、そして最終的には投稿を広告換算するメディア・インフルエンス・バリューが上昇するよう願い、全ての投稿に対して保存したり、コメントしたり、逆にスパムとみなされないように1つの絵文字だけのリアクションは避けたりなど、マーケティング会社や広告代理店も顔負けのルールを定め、仲間に実行を促している。直近は、投稿に対するコメントの中でブランドのアイデンティティーについても言及するよう指導するファンも存在するという。ブランド側にその特徴が伝わっていると認識してもらい、アンバサダー契約を延長してもらうための戦略だ。
ファッション&ビューティ業界が
参画できる推し活市場は、案外小さい?
データ同様、推し活にはさまざまな定義やカテゴリー(例えば、そこにアスリートや、アニメなど二次元のIPも含むのか?など。今回の特集では、あくまで三次元のリアルな人間を取り巻くマーケットを特集する)が、エンタメ以外の業界関係者は野村総合研究所(NRI)による「『推し活』消費の構成と市場規模」を知っておくと良いだろう。
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