
ユナイテッドアローズの2026年3月期連結業績は、売上高が前期比9.1%増の1646億円、営業利益が同14.3%増の91億円だった。売上高は7年ぶりに過去最高を更新した。既存店(EC含む)売上高が同6.8%増と好調に推移した。26年3月2日付でカジュアル業態「コーエン(COEN)」を運営する子会社コーエンをジーイエットに売却したことに伴う税務上の効果もあり、純利益は同42.7%増の61億円だった。
当期は2023年から取り組んできた中期経営計画の最終年度にあたる。売上高、営業利益、ROEの全項目で目標値を達成し、11日に開いた決算会見で松崎善則社長執行役員CEOは、「感動提供」を掲げて推進してきた3つの戦略の成果を強調した。
1つ目の「UA CREATIVITY」戦略では、猛暑の常態化を前提としたMDの再構築や、素材・デザインの付加価値を重視した商品クオリティーの引き上げと精緻な価格設定が、円安や原価高騰といった状況下においても既存事業を安定的な成長軌道へと乗せた。主力の「ユナイテッドアローズ(UNITED ARROWS)」および「ビューティー&ユース ユナイテッドアローズ(BEAUTY & YOUTH UNITED ARROWS )」を含むトレンド・マーケットの伸びに加え、「グリーンレーベル リラクシング(GREEN LABEL RELAXING)」や「シテン(CITEN)」などを含むミッド・トレンドマーケットの伸長も際立った。
商品管理基幹システム「UA3.0」への投資による在庫配分の適正化や物流効率化が寄与し、収益性も改善。26年3月期の連結売上総利益率は52.4%と、15年3月期以降で最高水準となった。
2つ目の柱「UA MULTI」戦略では、海外展開を拡大。26年4月時点で、台湾15店舗、中国3店舗、タイ2店舗、シンガポール1店舗まで店舗網を広げ、26年3月期の海外売上高は約30億円に伸長した。中国では上海旗艦店の客単価が5万円超と高水準で推移し、高感度・中高価格帯市場で一定の手応えを得た。さらには、シューケアブランドのブーツブラックジャパンや日本のデザイナーズブランド「テルマ(TELMA)」のM&Aなど、「高感度」をキーワードにしたM&Aにも着手した。
3つ目の柱「UA DIGITAL」戦略では、ECと会員基盤の強化を進め、アクティブ会員数は164万人に達し、会員売上高は844億円まで拡大した。
こうした成果を踏まえ、同社は29年3月期を最終年度とする新たな中期経営計画も発表した。10月1日付で持株会社「TABAYAホールディングス」へと商号を変更予定で、「高感度・中高価格帯」に経営資源を集中させながら、アパレル以外も含めたライフスタイル領域への多角化を目指す。
27年3月期は、売上高が前期比1.0%増の1661億円、営業利益が同9.6%増の100億円を見込む。年商100億円弱だった「コーエン(COEN)」の売却影響を織り込みながらも、既存事業の成長に加え、新規事業やM&A、中国・台湾を中心とした海外展開の拡大による収益拡大で増収増益を計画する。なお2032年を目標とした長期ビジョンの売上高は2500億円から3000億円に上方修正した。