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セレクト各社がリセール事業を本格化 リセールは新たな販売チャネルになるか

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拡大するリセール市場に、セレクトショップ各社が本格的に着手し始めた。今年4月にはベイクルーズがリセール専門店を下北沢にオープンし、7月にはシップスがオウンドリセール専用の公式ECサイトを立ち上げた。「ビームス(BEAMS)」は環境省の実証事業に参画し、リユース文化の定着に挑戦する。さらに今秋には、「ロンハーマン(RON HERMAN)」が古着の買い取り事業をスタート。廃棄衣料の削減や循環型経済への移行という大義に加え、既存のリユース店に抵抗感を抱くリセールビギナー層の取り込みや、新規顧客との接点創出など、ビジネス上のメリットも見え始めている。

ベイクルは下北沢にリユース専門店

リセールには、買い取りから査定、メンテナンス、販売まで複数の工程を担う新たなインフラと専門スキルが求められる。そのため、これらのアセットを持つリセール企業と提携するケースが主流だが、ベイクルーズは、実店舗と宅配買い取りを起点に買い取りから査定、販売まで自社で完結させている点が特徴だ。

スタートはコロナ禍で、福利厚生の一環として始めた社員の古着買い取り。以前からファミリーセールや自社主催のフェスイベント「ベイクルーズ フェスティバル」の際にスタッフの私物を販売するのみの市を企画すると、顧客からも大きな反響があった。これを踏まえ、「ベイクルーズとお客さまの間に新しい循環サイクルを構築する」をコンセプトに事業化へ。

強みは「安心感」だ。今年春に下北沢にオープンしたリユース専門店「サーキュラブルサプライ」の利用者は既存顧客のボリュームゾーンにあたる30〜50代が多い。扱う商品は、自社商品からラグジュアリーブランドまでと幅広い。同社の担当者は、「なじみのあるブランドを運営する会社だからこそ、これまでリセールに抵抗のあったお客さまでも一歩踏み出すきっかけとなっている」と話す。現在は、既存店や商業施設などでもポップアップ形式でリセールを実施。今後は常設の店舗も増やしていく計画だ。

シップスは専用EC立ち上げオウンドリセールに特化

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