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「エトロ」の創業一族、持分を売却しブランドを離れる Lキャタルトンは過半数株式を維持

エトロ(ETRO)の創業一族は12月19日、保有する全ての株式をトルコの不動産開発会社ラムズ・グローバル(RAMS GLOBAL)、イタリアの持株会社ノバラックス・ホールディングス(NOVALUX HOLDINGS)、欧州の投資会社兼アドバイザリーのSRIグローバル・グループ(SRI GLOBAL GROUP)の3社に売却した。金額は非公開。今回の取引により、創業家はブランドから離れることとなる。

3社は合計で株式の49%を保有し、残り51%は以前からの過半数株主であるLVMH モエ ヘネシー・ルイ ヴィトン(LVMH MOET HENNESSY LOUIS VUITTON)系の投資会社Lキャタルトン(L CATTERTON)が保有する。エトロの取締役会長にはラムズ・グローバルのファルック・ブルブル(Faruk Bulbul)最高経営責任者(CEO)が就任。2021年12月からエトロを率いるファブリッツィオ・カルディナリ(Fabrizio Cardinali)CEOは続投する。

エトロについて

エトロは1968年にジェローラモ・エトロ(Gerolamo Etro)がテキスタイル会社として創業。長らく一族経営を続けていたが、2021年7月に株式の60%をLキャタルトンに売却。取引額は5億ユーロ(約920億円)程度だったといわれている。これを機に、ウィメンズ、メンズ、ホームをそれぞれ手掛けていた創業一族のヴェロニカ・エトロ(Veronica Etro)、キーン・エトロ(Kean Etro)、ヤコポ・エトロ(Jacopo Etro)はブランドを離れ、後任として22年6月にマルコ・デ・ヴィンチェンツォ(Marco De Vincenzo)=クリエイティブ・ディレクターが就任した。また、事業戦略を担当していたイッポリト・エトロ(Ippolito Etro)も同じく会社を離れている。24年12月には、Lキャタルトンが保有する株式の一部もしくは全てを売却することを検討しているという情報筋の話が報じられた。

少数株主となった3社について

ラムズ・グローバルは、1988年の設立。トルコ、ドバイ、タイを中心に不動産開発事業などを行っている。2024年10月にはエトロとパートナーシップ契約を締結し、高級レジデンス事業“エトロ レジデンス”をスタートした。

ノバラックス・ホールディングスは、伊アパレル企業スウィンガー・インターナショナル(SWINGER INTERNATIONAL)のマティアス・ファッキーニ(Matías Facchini)CEOが保有する持株会社。スウィンガー・インターナショナルは、「ジャスト カヴァリ(JUST CAVALLI)」と「ヴェルサーチェ ジーンズ クチュール(VERSACE JEANS COUTURE)」のライセンシーでもある。

SRIグローバル・グループは01年の設立で、中小規模の企業への投資を専門としている。

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