ファッション

ファッションPRにピッタリ刺さるインフルエンサー mizota yayoi【#InfluencerAnalytics VOL.1】

「Astream」は、日本で200万人を超えるとも言われるインフルエンサー探しを、定量&定性データをベースに支援するサービス。本連載では、そんな「Astream」の中の人が同サービスのデータを縦横無尽に駆使しながら、おすすめのインフルエンサーを紹介していきます。今回取り上げるのは、インスタグラムで21.9万人のフォロワーを抱える人気インフルエンサーのmizota yayoi(@yayoi131)さん。フォロワー数だけでは見えてこない、彼女の魅力をひもときます。

今回紹介するインフルエンサー
mizota yayoi(@yayoi131)

まずは、あるひとりのインフルエンサーの投稿を紹介したい。「暑すぎて現地調達UNIQLO T-shirt。」ブランド名は添える程度。でも、その一言で投稿全体が“人の物語”として記憶される。その人の生活に、ブランドが自然に寄り添っているのだ。この投稿の主は、ファッション領域でいま最注目されているインフルエンサー、@yayoi131 さんだ。

彼女のリールは、商品を「売るため」ではなく、自分の生活の一部として映し出す。1つのブランドや1本のデニムを軸に、日常のコーデをさらりと提案するスタイルは、ブランドを“自分ごと”として受け止めてもらうきっかけになっている。

編集は凝っているものの、必要以上に派手ではない。コメント欄には「欲しい」「まねしたい」といった声が集まる。フォロワーは商品そのものではなく、“この人の暮らしごと”に引きつけられている。ブランド側にとっては、大きく叫ばずに世界観ごと商品を受け入れてもらえる安心感がある。まさに「任せて違和感のない語り手」だ。

Astreamのデータからわかること

Astreamのデータを細かく見ると、彼女がファッションブランドのPRに適している理由がよく分かる。フォロワーの居住地は日本が76.48%と高く、総フォロワー数が21万人を超えていながら国内ユーザー比率が圧倒的に多い。海外フォロワー比率が高いインフルエンサーが増える中で、国内購買層にしっかり届く発信ができる点は大きな強みだ。

フォロワーの性別比は女性が81.98%。特に25〜34歳の層が中心で、多くのファッションブランドが主要ターゲットとする年代に重なる。直近1カ月でインスタグラムを利用しているアクティブフォロワー率は80.36%。Astreamの基準で“平常値”とされる70%を大きく上回り、フォロワーの反応が常に動いているアカウントであることが分かる。

フォロワーの最大の関心テーマは「ファッション」

さらに、フォロワーの興味関心も「服/シューズ/ハンドバッグ/アクセサリー」が51.1%と最も高く、ファッションカテゴリーへの関心が明確に表れている。

これらのデータが示すのは、単にフォロワーが多いだけではなく、新宿ルミネ2や渋谷パルコ、梅田ルクアの2階フロアのような、ベーシックを軸に等身大の“いま”を楽しむ女性をターゲットとしたブランドにとって、もっとも確度高くリーチできる語り手であるということだ。

ここまでデータとして“刺さる相手”が明確なインフルエンサーは、実は多くない。では、ファッションPRが求めるインフルエンサーとはどんな人なのだろうか。最近、ファッションブランドのPR担当者から「どんなインフルエンサーを起用すればいいか分からない」という声をよく聞く。SNS上ではフォロワー数が数十万を超える人もいれば、1万人規模ながら濃いファンを抱える人もいる。けれど、どんなタイプがブランドの“認知”や“興味喚起”に本当に効くのか、判断が難しいのが現状だ。

まとめ:重要なのは表側だけでは見えない「インフルエンス力」

まず感じるのは、フォロワー数や再生回数だけでは測れない影響力が確実に増えていること。数字上では爆発的にバズらなくても、一人ひとりの共感をしっかり積み重ねるタイプの発信者が、結果的に長く成果を出している。ファッション領域の好調インフルエンサーを追うと、いくつかの共通項が見えてくる。

❶ 自分の世界観とブランド文脈の“接続”が自然
タイアップ投稿でも“広告感”が薄く、ブランドを自分のライフスタイルの延長として語っている。
❷ コメント欄での対話が活発
単に「かわいい」だけではなく、「これどこのブランド?」など、会話が生まれる投稿が伸びている。
❸ リールの“語り”がうまい
派手な編集よりも、自然体の喋り・動き・音楽で雰囲気を伝えるタイプが安定して反応を得ている。

データで見ると、エンゲージメントが高い投稿の多くが“語りを感じる構成”をしており、単なる静止画中心の投稿よりもブランド浸透率が高い。つまり重要なのは「ブランドのメッセージを、自分の生活やスタイルの延長で語れる人。そしてその発信が、ブランドの想定ターゲットにきちんと届き、フォロワーの関心や日常の行動に作用している人」ということになる。この“共感の構造”を備えたインフルエンサーこそ、いまのファッションPRが起用すべき存在だ。

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