ジーイエット(旧マックハウス)が買収攻勢をかけている。11月7日にユナイテッドアローズ傘下で低価格カジュアル店を運営するコーエンを買収すると発表したのに続き、13日には百貨店で婦人服を販売するジャヴァコーポレーション(神戸市、 浅見幸正社長)、郊外ショッピングセンターでシニア向け婦人服を売るgf.S(岐阜市、青木英司社長)を子会社化すると発表した。すでに10月に繊維系ベンチャーのAddElm TECHNOLOGY、9月にメンズウエアのテットオムもそれぞれ子会社化している。
ジャヴァコーポレーションは百貨店で「ロートレアモン」「ビッキー」などを展開する老舗。秋篠宮家の佳子さまが6月のブラジル訪問の際、同社の「ビアッジョブルー」の花柄ワンピースを着用したことで話題になった。ジャヴァは2022年にアパレル物流大手ジーエフホールディングス(HD)の子会社になった。近年は不振が続き、25年3月期の業績は売上高が前期比14%減の77億円、純損益が4億8400万円の赤字(前年同期は2億3000万円の赤字)だった。
そもそもジーイエットは、24年11月にジーエフHDなどが出資する投資ファンドがマックハウスにTOB(株式公開買い付け)を実施して現体制になった。ジーエフHDの児玉和宏会長が、ジーイエットの会長を兼務している。そのジーエフHD傘下のジャヴァをジーイエットが子会社化したかたちとなる。
9月に商号変更したジーイエットは、アパレルおよびウェルネス分野において戦略的M&Aを加速させることを明言している。9月から現在までM&Aは上記の5件。ジーンズカジュアル専門店のマックハウスを土台にしつつ、事業ポートフォリオを拡大することで持続的成長を目指す。
アパレル事業の多角化だけではない。同社が9月に発表した「成長戦略図」ではブランド運営で創出したキャッシュフローを、ビットコインなど暗号資産を保有する「暗号資産トレジャリー」へ投じるとしている。さらにデータセンターを活用したマイニング(暗号資産の採掘)やAIソリューションへの分野に事業領域を広げる考えだ。