ビジネス

ワールド鈴木社長、アパレル不振に危機感 「腰すえて改革断行」

ワールドの2025年3〜8月期連結業績は、売上高に相当する売上収益が前年同期比24.3%増の1369億円、コア営業利益が同3.4%増の83億円、純利益が同20.8%増の56億円だった。2月に買収したエムシーファッション(旧三菱商事ファッション)の連結加入によって売上高は大幅な伸びになった。ただ春夏物の衣料品の不振が足を引っ張り、当初計画のコア営業利益を約8%下回った。

祖業のアパレルの落ち込みを、新規領域であるプラットフォーム事業やデジタル事業、M&A企業の成長で穴埋めする格好となった。事業別にコア営業利益を比べると、アパレルなど売上高の7割弱を占めるブランド事業が42億円(前年同期比16%減)、中古品の「ラグタグ」やデジタルソリューションで構成するデジタル事業が9億4900万円(同22%減)、他社の生産や販売代行を担うプラットフォーム事業が23億円(同約3倍)だった。

ブランド事業は既存店売上高が前年同期比1.8%減で終わり、粗利益率は10.2ポイントも悪化した。春夏商品の低迷が大きな要因だ。5月から6月にかけての商品の消化が進まず売り場に滞留したため、7月末以降の「長い夏」に対応した商品企画を十分に展開できなかった。

3日の決算説明会(オンライン)に登壇した鈴木信輝社長は、厳しい言葉で危機感をあらわにした。「課題と打ち手は明白かつシンプルだが、『指示したことが実行できない』『やりきれない』という基本業務の精度課題ゆえに根が深い。業務を担う人材の再活性化・新陳代謝を含めた『ヒト』の課題に対処せねばならない」「気候対応に着手していたものの、春夏の生販コントロールや企画業務の精度改善の過程において、著しい現場力低下が露呈した」と述べた。現行の秋冬商戦、さらには来年の春夏商戦に向けて「今一度、腰を据えて改革を断行する」。

関連タグの最新記事

最新号紹介

WWDJAPAN Weekly

Timeless, Yet New 変わらない吉田、世界を変える【WWDBEAUTY付録:今こそ立ち上がれ、日本化粧品】

「WWDJAPAN」12月22日&29日合併号は、創業90周年を迎えた吉田カバン総力特集です。「ポーター(PORTER)」「ラゲッジレーベル(LUGGAGE LABEL)」「POTR」の3ブランドを擁し、日本を代表するカバンメーカー・吉田のモノ作りに迫ります。日本が誇る伝統技術を持つカバン職人たちと深い関係を築きながら、最先端の技術・素材を使い名だたるデザイナーズブランドとコラボレーションする相反…

詳細/購入はこちら

CONNECT WITH US モーニングダイジェスト
最新の業界ニュースを毎朝解説

前日のダイジェスト、読むべき業界ニュースを記者が選定し、解説を添えて毎朝お届けします(月曜〜金曜の平日配信、祝日・年末年始を除く)。 記事のアクセスランキングや週刊誌「WWDJAPAN Weekly」最新号も確認できます。

ご登録いただくと弊社のプライバシーポリシーに同意したことになります。 This site is protected by reCAPTCHA and the Google Privacy Policy and Terms of Service apply.

メルマガ会員の登録が完了しました。