カナダのアパレルメーカー、ギルダン・アクティブウェア(GILDAN ACTIVEWEAR以下、ギルダン)は8月13日、ヘインズブランズ(HANESBRANDS)を22億ドル(約3256億円)で買収することに合意した。
ギルダンは、今回の取引によりベーシックな日常着やアンダーウエア分野でのポジショニングの強化や、サプライチェーン拡大によるスケールメリットなどを狙う。なお、同社は3年以内に少なくとも2億ドル(約296億円)相当のシナジー効果を見込んでいるほか、取引の完了後にはヘインズブランズのオーストラリア事業の売却を検討するという。
取引は株式交換と現金で行い、割合は株式交換が87%、現金は13%でおよそ2億9000万ドル(約429億円)。資料によれば、ギルダンは11日の終値を基準に約24%のプレミアムとなる1株あたり6ドル(約888円)を提示しており、ヘインズブランズの株主は1株あたりギルダンの普通株を0.102株と現金0.8ドル(約118円)を受け取ることとなる。取引の完了は2025年末もしくは26年初頭の予定で、完了後はヘインズブランズの株主全体でギルダンの株式の約19.9%を保有する見込み。本取引に基づいたヘインズブランズの企業価値は、負債も含め44億ドル(約6512億円)。
市場はこの取引を好感し、ギルダンの13日の終値は前日比11.8%高の54.93ドル(約8129円)をつけた。
ギルダンとヘインズブランズについて
ギルダンは、1946年にカナダ・モントリオールで創業した子ども服メーカーを前身とし、84年に設立。アクティブウエアやアンダーウエアを中心とする日常着を取り扱っており、「ギルダン」「アメリカン アパレル(AMERICAN APPAREL)」「ゴールドトゥ(GOLDTOE)」などのブランドを保有している。
ヘインズブランズは、米ノースカロライナ州を拠点とする衣料品メーカー。主力の「ヘインズ(HANES)」をはじめ、「ボンズ(BONDS)」「メイデンフォーム(MAIDENFORM)」「バリ(BALI)」などを保有しているが、ここ数年にわたって業績が低迷。24年6月には、「ヘインズ」に次ぐブランドだった「チャンピオン(CHAMPION)」を、米ブランド管理会社オーセンティック・ブランズ・グループ(AUTHENTIC BRANDS GROUP)に12億ドル(約1776億円)で売却した。