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ナチュラ&コー、「エイボン」売却へ 純粋持株会社体制を解消

ブラジルの化粧品会社ナチュラ&コー(NATURA &CO)は12日(現地時間)、2025年第2四半期(4〜6月期)決算の発表に合わせ、エイボン・インターナショナル事業を正式に売却対象資産として分類したことを明らかにした。同社は声明で「戦略的な選択肢の検討は進展しており、売却資産としての分類に必要な条件を全て満たした」と説明。これに伴い、これまでナチュラ&コーのラテンアメリカ部門傘下だった「エイボン(AVON)」の中米・ドミニカ共和国事業も売却対象に再分類された。

ナチュラ&コーは、これまで断続的にエイボン・インターナショナル事業の戦略的な選択肢を模索してきた。24年2月下旬には、「エイボン」のラテンアメリカ以外(欧州・中東・アフリカ・アジア太平洋)を管轄する同事業の売却に向け、オルタナティブ投資ファンドのIG4キャピタル(IG4 CAPITAL)と協議を行っていると発表。同年8月に「エイボン」の米国法人が米連邦破産法第11条(チャプター11)を申請したことにより売却交渉は一時停滞したが、12月には同事業の売却、分離・独立、提携などを含む戦略的検討を再開したと公表していた。

25年第2四半期業績は大幅に改善

ナチュラ&コーの25年第2四半期の売上高は、前年同期比5.5%増(現地通貨ベースでは同1.7%減)の56億9000万ブラジルレアル(約1546億円)だった。純利益は1億9500万レアル(約52億9000万円)で、前年同期の純損失8億5900万レアル(約233億4000万円)から大幅に改善した。同社は「第2四半期は事業のスリム化が進展した」とコメント。7月1日にはナチュラ&コーをナチュラ・コスメティコス(NATURA COSMETICOS)に吸収合併し、上場主体として一本化。持ち株会社の構造を簡素化し、取締役会や投資家向け広報など一部機能のみを残す体制に移行した。今後の業績は、コーポレート機能とラテンアメリカ事業のみが反映されるという。

ナチュラ&コーは、20年に米エイボン・プロダクツ(AVON PRODUCTS)の北米事業を除くグローバル事業を株式交換により買収。化粧品グループとして世界4位に浮上した。だが23年には「イソップ(AESOP)」「ザボディショップ(THE BODY SHOP)」を相次いで売却。それまでの大型買収による規模拡大から「選択と集中」へ舵を切り、現在は企業再編による効率化と株主価値向上を目指すフェーズへと移行している。

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