ミルボンは2025年12月期の通期業績予想を下方修正した。1〜6月期の不振を主要因とし、売上高は523億円(修正前は542億円)、営業利益は53億円(同70億円)、純利益は30億円(同52億円)を見込む。
2025年1〜6月期連結決算は、売上高が前年同期比1.1%増の248億円、営業利益が同39.0%減の19億円、純利益が同81.6%減の4億円と増収減益だった。増収を確保したものの大幅に営業利益を落とし、約7.6億円の投資有価証券評価損の計上に伴って純利益も大幅に減少した。
増収の主要因は、全体の売り上げの63%を占めるヘアケア用剤が同6.4%増と伸長した点にある。特に「エルジューダ(ELUJUDA)」の新製品や5月1日に実施した一部製品の価格改定前の駆け込み需要が寄与した。海外市場はおおむね順調で、特に米国やEUでの売り上げが2桁成長を達成したことも貢献した。
減益は、化粧品部門での売上減少に伴う在庫評価減と販管費の増加が主な原因となった。化粧品部門では、24年にヒットしたサロン専売メイクアップブランド「アイエム(IM)」の“眉マスカラ”の新製品が計画を下回り、在庫評価減となったことが響いた。販管費は人件費、物流費、万博関連費用の計上による広告宣伝費の増加が利益を圧迫した。
今後は、国内の売り上げ拡大を図りつつ高単価化とコストコントロールで収益性の改善を目指す。日本国内では、主力のヘアケアの値上げ、高付加価値化による収益改善を目指す。染毛剤は製品差別化、消費者認知の向上、教育の3本柱で再成長を目指し、化粧品は注力カテゴリーを絞り、販売の効率化を図る。
アジアではトレンド発信地である韓国に注力して地位を確立することで、他地域への影響力を高める。欧米は売り上げ規模の拡大で収益化を目指す。