フェミニンな「ウィム ガゼット(WHIM GAZETTE)」のまとう空気が変わった。今季はデザインをそぎ落として内なる強さを引き出そうと試みる。そう考えるに至った経緯は何か。若林美緒デザイナーに話を聞いた。(この記事は「WWDJAPAN」2025年6月23日号からの抜粋です)
個性は“引き出す”もの
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「今季はマニッシュな気分」と話す若林デザイナー。ロング丈のトレンチコートに同系色のパンツ、ネクタイを合わせたルック(画像1枚目)に目を向ける。「アイテム一つ一つは奇抜でない。だからこそ、スタイリングにこだわりたい」。この思いをタグライン「語らない、だから残る」に乗せ、個性を“身に付ける”のではなく“引き出す”ことで、印象に残る着こなしを目指す。SNS時代において、「ブランドはどこまで説明するべきか」と悩む中、あえて多くを語らない選択肢を取った。
もう1体(画像2枚目)は「昨年8月、試着をためらうほどの暑さでも売り切った」というオリジナルのファーベストが主役。今年はカラーとデザインをアップデートさせた。
「ウィム ガゼット」の“ウィム(Whim)”は“気まぐれ”を意味する。今季もストリートやコレクションの影響は受けず、チームメンバーが思うままに企画・買い付けした。しかし、実需は鮮明に見えている。「元々はスカートが強いブランドだった。ボディーコンシャスなワンピースをそろえていた時期もあった」が、昨今はパンツを豊富に用意。“ハイヒール離れ”を受け、ミュールやローファーといった歩きやすいシューズが足元を飾る。
9月には、大型複合ビル「高輪ゲートウェイ」内の「ニュウマン高輪」に新店をオープンする。「店舗・社員が増えれば世界観のズレが生まれる。キャッチアップを欠かさず、チームで同じ方向を向き続けたい」と気持ちを引き締める。