ドン・キホーテの化粧品売り場は、若年層から訪日客まで幅広い消費者を取り込む販売チャネルとして存在感を高めている。各店舗に裁量を持たせたレイアウトや製品ラインアップは、生活者ニーズの変化を色濃く反映しており、売れ筋動向をリアルタイムで捉えられる“動く市場”だ。そんなドン・キホーテの化粧品マーチャンダイザーに、商況や売り場戦略、昨今のトレンドを聞いた。
ドン・キホーテの化粧品カテゴリーは
右肩上がりで成長
WWD:化粧品売り場の客層は?
池戸美結トレンド&コスメ マーチャンダイザー サブマネージャー(以下、池戸):Z世代と言われる10~20代が大きな割合を占めているが、マジカ(majica、ドン・キホーテの公式アプリ)会員の購入データを見ると、コスメカテゴリーは30~40代の割合も高い。お買い得な製品を求める主婦層は大容量の化粧水やマスク、トレンド意識の高い10〜20代は韓国コスメなど、幅広い品ぞろえが幅広い客層につながっている。
WWD:化粧品カテゴリーがドン・キホーテの売り上げで占める割合はどれくらいか。
池戸:弊社で化粧品メーカーの取り扱いが増えたのはおよそ20年前から。具体的な数値は公表していないが、コロナ禍の2020年を除き、基本的に右肩上がりで推移している。コロナ禍でインバウンド需要が減少し、特にリップやファンデーションなどのメイク製品が売れなくなったが、「マスクをしていても落ちないリップやファンデーション」といった考えにシフトしてからは比較的早い段階で持ち直すことができた。本部の判断のほか、店舗の裁量が大きい運営システムも素早い判断につながった。コロナ禍以降はこれまで以上に好調に推移している。
WWD:コロナ禍以降の好調要因は何か?
池戸:主要因は韓国コスメの売り上げの増加。また、シートマスクや美容液といったスキンケアカテゴリーの伸長率も高く、それも理由の1つだ。特にシートマスクはブランド問わずかなり伸びていて、カテゴリー別の売り上げは毎月前年の2倍を記録している。おそらくきっかけは(俳優の)MEGUMIさんが著書で「安いマスクでもいいから朝も夜も毎日使ったほうがいい」と発信したこと。書籍で紹介されていた「ルルルン(LULULUN)」のフェイスマスクは1年間ずっと欠品が続くような状況になったほどだ。
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