※この記事は2021年06月10日に配信した、メールマガジン「エディターズレター(Editors' Letter)」のバックナンバーです。最新のレターを受け取るにはこちらから。
後継者にうまく引き継げてこそ
このレターでも何度か書いていますが、「さらに発展させられる後継者を引き継げてこそ、優秀な経営者」というのが私の見解です。どんなに企業を成長させてきても、それが交代とともに終わりになってしまっては、残念無念。
もちろん何年も成長を続けること自体すごいのですが、後任が見つからない!引き継いだもののうまくいかず、結局前任者が戻って来た!なんていうこともよくあることで、特に一代で成功を築き上げてきたカリスマ経営者は、引き継ぎが難しいように見えます。このレターでもインディテックスやナイキのCEO交代に触れてきましたが、成長を牽引し続けてきたCEOが交代しても混乱が生じず、新CEOが成長を維持しながら革新しているのを見ると「(前任者は)経営者としてプロだな〜」としみじみします。
そんなわけで、モンクレールとOTB(「マルジェラ」の親会社)のカリスマ経営者2人の後継者選びにも興味津々です。
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特にモンクレールのレモ・ルッフィーニ会長は、次々とユニークな手を打つので楽しみ。「私の肩書きはモンクレールの会長兼CEOだが、実際にはそのどちらでもない。5人からなる委員会があり、毎週集まって意思決定をしている」――つまり信頼できる優秀な側近こそ、彼の強さの秘訣なのでしょう。でもレモ会長は息子たちに引き継ぐ可能性もあるそうで。上場企業でも息子に引き継ぐパターン、結構ありますよね。レモ会長がどんなタイミングでどんな決断を下すのか。まだまだ先だろうなとは思いつつ、とても興味があります。
プラダもリシュモンもCEOの息子たちの活躍が目立つようになってきましたが、個人的に一番興味があるのはLVMHです。ベルナール・アルノー会長が誰を後継者に選ぶのか。息子が4人いますが、長女のデルフィーヌに譲るとなったら、この業界が大きく変わる気がします。密かに期待しているのは私だけでしょうか?
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