1. ユニクロの柳井社長が語るアレキサンダー・ワンとのコラボや後継者 

ユニクロの柳井社長が語るアレキサンダー・ワンとのコラボや後継者 

企業タッグ インタビュー

2018/10/26 (FRI) 13:00

 2017年度の売上高が初めて2兆円を突破し、3兆円の売り上げを目指すファーストリテイリングの柳井正・会長兼社長が、人気デザイナーのアレキサンダー・ワン(Alexander Wang)とのコラボレーションや、後継者の育成計画、アジアのアパレル企業人としての知見、テクノロジーの台頭とそれが人間の生活に及ぼす影響などについて米「WWD」に語った。

 柳井社長の使命は、シンプルで価値あるものをさらに進化させ、より良い世界を作っていくことだという。今月発表された「アレキサンダー ワン」と「ユニクロ(UNIQLO)」のコラボコレクション“UNIQLO and ALEXANDER WANG”では、同社の高機能性インナー“ヒートテック”が、ワンの手によってストリート感覚のある、クリーンかつ精巧なデザインになった。柳井社長はヒートテックを「われわれの最高傑作」と評している。ワンとのコラボレーションにも満足しており、温かさと快適さを誇る素材についても笑みを浮かべた。

 両ブランドのコラボレーションは08年春コレクション以来10年ぶりとなる。柳井社長は当時のことを回想し、「新進デザイナーだったワンのコレクションは飛ぶように売れた」と話した。その後「知名度が上がり、多忙な」デザイナーになってしまったため、コラボするチャンスがなかったという。

 「ワンとコラボレーションすることになった理由?」柳井社長はサンフランシスコ生まれで台湾人の両親を持つワンとのコラボレーションについて回想し、「まあ、巡り合わせだろう。でも、出会うべくして出会ったのだとも思う。彼とのコラボレーションはビジネスを加速させる大きな原動力になるかもしれないし、ワンがデザイナーとしてさらに飛躍する機会になるかもしれない。もしくは、時代を象徴するコラボレーションになる可能性もあるだろう。ワンも『ユニクロ』もアジア人の視点から欧米文化の良さを客観的に捉えて表現しているのは共通しているね」。

READ MORE 1 / 2 ワンへの出資もありうる?

 ワンとのコラボレーションはこれからも続くのだろうか?「正直なところ、わからない。双方にとってメリットがある限り、長く関係を築いていきたい。一緒に仕事をする期間が長いほど、互いに理解が深まり、学ぶことも多い。それはより良い製品への開発につながっていくからね」と話した。

 ワンはここ数カ月、出資者を探しているとウワサされているが、その相手はファーストリテイリングではなさそうだ。柳井社長はその可能性は「全くない」と話した。

 「当面、新たに企業買収をするつもりはない。よっぽど企業カルチャーがマッチする会社が見つかれば別だが」という。同社の主要ブランド「ユニクロ」の成長は著しく、来年はインドへの出店も控えている。

 勢いに乗っている同社だが、日本に本拠地を持ち、興隆するアジア市場の存在感が大きくなっているのもその強みの1つだ。柳井社長は、これからはアジアのトレンドが時代を引っ張っていくのではないかという。

 日本、中国、インドは合わせて40億人が暮らしており、「これからもどんどん大きくなる市場だ。世界の中心となり、パワーの源となる。大きな波が来ている」と話した。

 伸びるアジア市場への十分な出資は、同社にとってだけでなく、世界のトップ企業共通の課題である。同社の命運は、柳井社長から事業を引き継ぐ人物の手腕にかかってくる。「後任者を決めるのは、僕にとって重要な任務の1つになる」と話した。

 それはいつだろうか?「できるだけ早く」と答えながら、69歳となった自身の年齢や後継者問題についてユーモアたっぷりに笑い飛ばした。「まだやる気はあるし、続けられるだけ続けたいが、僕がしっかりしているうちに引き継いで、事業に支障を来さないようにしたい」。

 柳井社長の後継者の肩にかかる責任は膨大だ。テクノロジーを駆使しながらサステイナビリティーにも取り組み、これからの小売業の在り方を模索しながら、文化の垣根を超えて事業を統括しなければならない。柳井社長の長男の一海(かずみ)氏と次男の康治(こうじ)氏が11月29日付で取締役に昇格する予定だが、事業を息子2人に任せるという意図はないという。

 「当社を待ち受ける課題を理解できなければ、やり遂げなれないだろう。僕の仕事を1人に引き継ぐとは思っていない。1人だけで全てをやろうと思わずに、チームプレーヤーとして機能する人物でなければならない。チームメンバーの力を引き出しながら、最高のパフォーマンスを生み出す力量が必要だ」。

READ MORE 2 / 2 インドで目指すのは地産地消?

 今後はインド市場にも事業を拡大していくが、目標は売り上げだけではないという。

 「競合他社とは異なり、当社はもうけだけを追い求めてインドに進出するわけではない。インド製の商品をインド市場で販売して、差別化を図りたい。インドの文化を知り、製造から販売まで付加価値のある運営を考えており、インドならではの包括的なサプライチェーンを作りたかった」。

 インドで製造から販売まで行うということは、インド国内での同社の影響力も上がり、事業育成の方法も違ってくる。

 また同社はグーグル(GOOGLE)と協業して“情報製造小売業”の実現を目指し、物流システム・マテハン機器の世界トップメーカー、ダイフクと提携して全自動化の最先端物流センターを充実させると発表するなどテクノロジーへの投資も積極的に行っている。

 「世界中で労働力不足が大きな問題になっているが、簡単な仕事は機械によって代替されるだろう。そして人間はより高度な思考が求められる仕事に就くようになる。人間の潜在的な能力は眠ったままだ。今こそ、全ての人間がクリエイティブに生きていくチャンスなんだ」。

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