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厚生労働省“ブラック企業リスト”が見せたアパレル業界の深い闇

  厚生労働省は5月10日、違法残業や賃金未払いなどの労働関係法令に違反した疑いで書類送検された企業を、同省のホームページ上で公表した。中身は全国の労働局が昨年10月以降に労働基準法違反などの疑いで書類送検した334件の企業名や事業場名で、このリストの中には、縫製工場や染色加工工場など繊維・アパレル関連の企業10数社も含まれている。その多くは技能実習生絡みの法令違反だが、中には法令違反で書類送検される前や、その直後に倒産した企業もある。アパレル業界を挙げてメード・イン・ジャパンが盛り上がりつつある中で、ブラック企業リストが見せたのは日本の縫製産業を取り巻く厳しい現状だった。

 リストでは昨年11月に書類送検されたタカラ繊維は、その前の9月にすでに破産。同社はテレビやニュースなどで外国人研修生への賃金未払いが「現代の奴隷制度」などと取り上げられ、昨年1月には事業を停止していた。当時の同社を知るある関係者によると「同社には、外国人研修生の背後にいた人材ブローカーが、借金取りのように毎日会社に怒鳴り込みに来ていた。同社に落ち度が無かったとはいえないが、普通では考えられない異様な事態だった」と振り返る。

 リストに掲載されたある企業は「技能実習生を、法的に許されている範囲以上に働かせたことで送検された。違法ではあるが、仕事が定時にさばききれなかった時に、技能実習生からの残業したいという希望を受け入れてしまった」という。“技能実習生”と言うが実際は出稼ぎ。残業は超過手当のもらえる技能実習生にとってもメリットは多い。この企業は指摘を受け、すぐに体制を見直した。

 この企業はウェブサイトに自社のことが公表されたことは取材されるまで気づいていなかった。HPを見た取引先からの問い合わせはまだないが、「あっても説明すれば、ある程度は理解していただけると思いたい。コンプライアンスが時代の要請というのは痛いほど分かっている。とはいえ手作業の多い縫製企業の現場で、しかも外国人を働かせるというのは非常に高度なマネジメントになる。そのことだけでも理解してほしい」。

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