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「この1着が1億円になる!」サンプル縫製一筋30年、クチュールデザイナーから転身

 “レオパール”。デザイナーや企画担当者なら、一度は耳にした事があるかもしれない。サンプル専門の縫製工場として、30年に渡って、デザイナーズブランドから量販チェーン、ユニホームまで、ありとあらゆるブランドのサンプルを年8000~1万型作っている。展示会やカタログ、雑誌の撮影まで、ファッション業界には欠かせないサンプルだが、ひと度役目が終われば大半がセールで放出されたり、倉庫にしまい込まれたりして、再び日の目を見ることは少ない。だが、実は思っている以上に奥の深い世界だ。

 ファッション業界を支えるさまざまな職業人を取り上げる連載「ファッション業界お仕事百科」の第一回目は、ファッションデザイナーなら知る人ぞ知る、サンプル縫製一筋30年、日本のファッション業界を支えてきたレオパールの森田惠夫(としお)社長を取り上げる。

 レオパールのオフィスは、代々木上原から徒歩10分ほど。東大駒場キャンパスの裏手の閑静な住宅街にある。4階建てのやや大きめの家といった風情のオフィスの前には、社用車の軽自動車が2台駐車している。建物の中には新旧さまざまなミシンや最先端の裁断機、CAD/CAM端末が設置され、いわば工場の役割を担っている。