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米「ザ・ノース・フェイス」親会社がブラジル産レザーの購入中止 アマゾン火災の政府対応に不満

 「ザ・ノース・フェイス(THE NORTH FACE)」や「ティンバーランド(TIMBERLAND)」「ヴァンズ(VANS)」などのブランドを擁するVFコープ(VF CORP)は8月29日、ブラジル産皮革の購入を中止すると発表した。これは南米アマゾンの熱帯雨林で大規模な火災が続いているにもかかわらず、国際支援の受け入れを拒否するなど、ブラジル政府の対応が鈍いことに対する措置だという。なお、アパレル企業でこうした対応をとるのは同社が初めてだ。

 モリー・カフ(Molly Cuffe)VFコープCRC(企業の社会的責任に関する広報)担当ディレクターは、「当社は素材について『責任ある調達要件』を設けており、皮革のサプライヤーにもこれを適用している。詳細な調査の結果、ブラジルの皮革サプライヤーがこの調達要件を満たしていない恐れがあると判明した。このため、当社の傘下ブランドに使用される素材がブラジルの環境破壊につながっていないと確信が持てるまで、同国の皮革を直接購入しないことを決定した」と語った。

 VFコープは、ファッション業界が環境に与える負荷を軽減するため、以前から製品ライフサイクルの見直しや循環経済の実現に取り組んでいる。2019年5月には国連によるファッション業界気候行動憲章(UN Fashion Industry Charter for Climate Action)に署名しており、環境保護は同社のサステイナビリティー戦略の大きな柱だとしている。

 ブラジル国立宇宙研究所(NATIONAL INSTITUTE FOR SPACE RESEARCH)の発表によれば、19年1~8月にブラジルで発生したおよそ8万8000件の火災のうち、51.9%が熱帯雨林で起きているという。ブラジルやペルー、エクアドル、ボリビアでは、農民が牧草地を拡大するために熱帯雨林を伐採して、その下生えを野焼きする習慣がある。しかし主に乾期に行われることから、手の付けられない大火災に発展してしまうことも多く、環境破壊につながっていることが国際的に問題視されている。