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「ファーフェッチの買収、本当の勝者は……」 ITのプロ「WWDジャパン」最新号につぶやく

 大手通信会社に入社後、国内外でITソリューションを提供するビジネスマンが、今週のファッション週刊紙「WWDジャパン」で気になったニュースを要約してお届け。最先端のテクノロジーから企業と、その利用者が必要とするものについて考え続けたITのプロ、CKRが未来的視点からニュースにつぶやきを添えます。

今日のニュース:「ファーフェッチ」、株価44%ダウンの衝撃

読み解きポイント マーケットプレイスでなく自社商品を強化

ニュースの要約

 高級ブランドECの「ファーフェッチ(FARFETCH)」が、19年4-6月期決算報告に合わせ、ニューガーズグループ(NGG)の買収を発表(買収金額:715億円)。発表直後から株価は44%急落。営業損失拡大(前年同期▲39億円から▲101億円に拡大)と下半期7-12月期の流通総額の下方修正が懸念視されている。

CKRはこう読む

「17%」。ファーフェッチがEC上で取り扱う自社商品の流通総額の割合です。83%は、他社商品を販売しています。他社商品を販売する際、消費者とのマッチングを行い、その手数料がファーフェッチの売り上げとなります。ファーフェッチは、在庫を持たないマーケットプレイス型のプラットフォームビジネスが主軸であると言えます。

では、NGG買収は何を意味するのでしょうか。ファンドや市場から資金が集まり、次の一手を悩むなか、17%である自社商品強化を選択したということです。
元々、CEOのジョゼ・ネヴェス(Jose Neves)は、2001年に「B Store(ビー・ストア)」を設立し、新進気鋭ブランドをブティック店舗に販売するビジネスを行っていました。尖った元気のある新しいブランドを目利きし、自社商品としてラインアップすることに思い入れがあったのかもしれません。

マーケットプレイスを切り盛りするだけでなく、セレクトショップ的に先鋭的な商品を仕入れ、販売することでさらに魅力ある場所に仕立てたい。そうしたネヴェスの思いとは逆に、市場からのメッセージは、「膨らんでいる売り上げ原価や販売管理費を抑え、収益を改善して欲しい」「主軸であるマーケットプレイスを強化、流通総額を拡大し、新たな道筋、方向性を示して欲しい」といったことなのでしょう。

そんな中、今回の勝者は、NGG。2015年に設立、わずか4年で、700億円で評価され、売り抜けてしまいました。

CKR Kondo : 大手通信会社に入社後、暗号技術/ICカードを活用した認証決済システムの開発に従事。その後、欧州/中東外資系企業向けITソリューションの提供、シンガポール外資系企業での事業開発を経験。企業とその先の利用者が必要とするもの、快適になるものを見極める経験を積み、ウェアラブルデバイスやFree WiFiを活用したサービスインキュベーションを推進。現在は、米国、欧州、アジア太平洋地域にまたがる、新たなサイバーセキュリティサービスの開発を推進中