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ストックXがNYに“売らない”店舗を出店

 株式市場の仕組みを用いるオンライン商品取引市場のストックX(StockX)は、米デトロイトで開催した年次イベントで、ニューヨークのラファイエット通りに初の常設店舗をオープンすると発表した。今回で3度目の開催となる同イベントには250人を超える “パワーユーザー”と呼ばれるストックXの有力消費者も集まり、コレクターズアイテムの領域拡大やオランダでの5つ目の鑑定サービス施設のオープン、そしてストリートブランド「チャイナタウンマーケット(CHINATOWN MARKET)」との新たなコラボレーションも明きらかにされた。

 ニューヨーク店の主要な役割は取引の活性化ではなく、売り手が製品の鑑定日当日に支払いを受け取れる“セラーインテイク”と、ストックXが販売する製品のイベント、ポップアップを主催する“ブランドアクティベーション”という2つの非販売機能だ。鑑定サービス施設は現在ロンドン、ロサンゼルス、ニューヨークの3都市にあるが、今回の店舗の場所はポップアップの開催によって時間をかけて精査したという。

 「あくまでも主体はウェブビジネスだが、顧客と距離を縮めて関わりを深めることは素晴らしいことだ。われわれはニューヨークを初の出店地とすることを楽しみにしている」とジョシュ・ルーバー=ストックX共同創業者兼最高経営責任者(CEO)はコメントした。

 リアルタイムの市場価格に基づいた運営を核に“世界最大のスニーカーとストリートウエアのマーケットプレイス”として急成長を遂げるストックXだが、スニーカー再販アプリのゴート(GOAT)や2018年2月に誕生したスニーカー委託販売店のフライトクラブ(Flght Club)、最近ゴートグループ(GOAT GROUP)に1億ドル(約109億円)を出資したフットロッカー(FOOT LOCKER)など競合企業も多い。

 ハンドバッグや時計に加えて、すでにコレクターズアイテムもストリートウエアの一部として取り扱っているが、先月1200体のベアブリック(BE@RBRICK)をサイトに追加し、本社前にカウズ(KAWS)のアバターを飾って存在感を高めるなど、今後は専用カテゴリーを設けて違った見せ方をしていくという。「そもそもコレクターズアイテムは(ストックXに)すでに存在している。われわれの顧客はそれをもっと欲しがる」とルーバーCEOは語った。

大根田杏(Anzu Oneda):1992年東京生まれ。横浜国立大学在学中にスウェーデンへ1年交換留学、その後「WWD ジャパン」でインターンを経験し、ファッション系PR会社に入社。編集&PRコミュニケーションとして日本企業の海外PR戦略立案や編集・制作、海外ブランドの日本進出サポート、メディア事業の立ち上げ・取材・執筆などを担当。現在はフリーランスでファッション・ビューティ・ライフスタイル関連の記事執筆や翻訳を行う。