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しまむら19年2月期は大幅減益 「安さ一辺倒」消費者感覚とズレ

 しまむらの2019年2月期は、売上高が前期比3.4%減の5459億円、営業利益が同40.7%減の254億円、純利益が同46.2%減の159億円だった。同社の売り上げの約8割を占める「ファッションセンターしまむら(以下、しまむら)」の売上高は同4.8%減の4245億円、既存店売上高は同6.8%減。周年記念として打ち出した過度な値引きによる販促の失敗が不振を招き、売上高、粗利ともに押し下げた。北島常好社長は自社の状況について、「過去10年か、それ以上前に戻ったようだ」と述べ、「来期は値下げにこだわらず、お客さまが求めるモノを適切な価格で売っていく」ことで再起を図る考えだ。

 「しまむら」の売上の98%を占める国内事業は、上期(3~8月)の既存店売上が前年同期比6.9%減。18年4月上旬には1400店舗達成にちなんだ140円の下着中心のセール、5月下旬には65周年を記念した「650円コーデ」など破格のセールを組んだが、客単価ダウンにつながったうえ期待したほど客足も伸びず、収益性を悪化させた。台風や地震など度重なる自然災害も追い打ちを掛けた。近年は婦人服のアウターを中心に全体の約7割程度まで在庫を減らすなど売り場のスリム化も進めてきたが、雑多な売り場がもたらす宝探し的な楽しみを奪い、かえって客足を遠ざけた。下期(9~2月)からは過度なセールを抑制し、商品の絞り込みについても緩和を進めたが、既存店売上は同6.8%減と歯止めがかからなかった。

 北島社長は安さに頼った商品施策を反省する。「過度に安価な商品を出せば、その商品はほぼ100%売れるが、リピート客にはならない。お客さまの選別意識は強くなっており、ただ安いだけでは買ってもらえない。これからはお客さまが、本当に求めているモノを作る」。

 自社内競合が北関東や北陸、東北などの地域で強まっていることから、今期の新規出店は採算が確実に取れる立地のみに絞るとともに、既存店の立て直しに集中する。商品調達の仕組みも見直しを進める。従来は半年以上の長期サイクルで商品を調達していたが、実需への対応を重視。19年はサプライヤーと組んで生地の備蓄や生産ラインの年間計画を整えることで、45日以内で生産する商品の割合を15%前後にまで高める。これらの施策はすでに実施し始めており、18年下期にはチェックシャツやワンピース、花柄のロングスカートなどのヒットアイテムが出た。

 また、「しまむら」では現在値札に税込み表記を採用しているが、10月の消費税増税後も店頭のアイテムの値札の付け替えは行わず、増税2%分の損失はのみ込む考えだ。お得感を強調するため、税抜表記も併記するよう変更する。20年2月期は、売上高5630億円(前期比3.1%増)、営業利益は347億円(同36.5%増)を予想する。