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伊藤忠がデサントにTOB 経営対立深まる

 伊藤忠商事は31日、経営を巡って対立中のデサントにTOB(株式の公開買付け)を行うと発表した。買い付け価格は2800円でデサント株価の30日の終値1871円に対して約50%のプレミアムを乗せ、上限は721万株。現在30%の伊藤忠が持ち株比率を現在の30%から40%に高めることを目的としており、デサントの現経営陣に対するけん制があると見られる。

 TOBの発表資料では、デサントの3度の経営危機に対して伊藤忠が支援してきたこと、石本雅敏デサント社長が13年に伊藤忠から派遣されていた取締役に事前通告なしに社長に昇格したことなどを指摘。その上で、買い付け成立後には取締役の人数を現在の10人から6人に変更するなどの経営体制の刷新を求めている。

 伊藤忠は長らくデサントの筆頭株主で、1980年代の“マンシング危機”と98年の“アディダスショック“という2度の経営危機をともに乗り切ってきたが、創業家出身の石本雅敏デサント社長との間で昨年夏に経営方針の対立が表面化。伊藤忠は7月4日以降3度にわたる株式の買い増しを行ない、それまで25.01%だった持ち株比率を30%に引き上げる一方、デサントも伊藤忠への事前通告なしにワコールホールディングスとの業務提携を発表、今も溝は埋まっていない。