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伊老舗ジュエラーのダミアーニが上場廃止

 ダミアーニ(DAMIANI)の創業家一族は、持ち株会社でダミアーニ株の58.8%を保有するリーディング ジュエルズ(LEADING JEWELS)を通じてダミアーニの上場廃止を目的とした株式公開買い付け(TOB)を実施する。

 リーディング ジュエルズの株式の60.82%を保有し、創業家3代目のグィド・ダミアーニ(Guido Damiani)=ダミアーニ社長らダミアーニ一族が運営するディー ホールディング(D HOLDING)は、今回のTOBでダミアーニ全体の16.74%にあたる1380万株以上を1株0.44ユーロ(約54円)で取得するという。ダミアーニの株式取得総額は最大1180万ユーロ(約14億円)に上る見込みで、株価はTOB公表前の2018年12月27日時点の0.814ユーロ(約100円)より約5.04%高い0.855ユーロ(約105円)になる見通しだ。

 ダミアーニ社は18年3月期決算で400万ユーロ(約4億9200万円)の損失を計上したが、売り上げは前期比1.6%増の1億6400万ユーロ(約201億円)だった。売り上げを牽引したのは小売部門で、同12.9%増の8640万ユーロ(約106億円)と全体の53%を占め、卸売り部門は8.7%減の7760万ユーロ(約95億円)だった。

 ビジネスの中核を担うイタリア市場の売り上げは前年比1.9%減の1億1210万ユーロ(約137億円)だったが、国外での売り上げは9.9%増の5220万ユーロ(約64億円)で、税引き前利益は24.1%増の530万ユーロ(約6億5100万円)だった。

 昨年6月にはユークス ネッタポルテ グループ(YOOX NET-A-PORTER GROUP)がコンパニー フィナンシエール リシュモン(COMPAGNIE FINANCIERE RICHEMONT)による株式公開買い付けの後、上場を廃止した。一方、フルラ(FURLA)やヴァレンティノ(VALENTINO)は近年上場を見送っている。

 ダミアーニは1924年イタリア・バレンツァで創業し、現在従業員数800人、世界17カ国に49のブティックと1500の卸先を持つ。「ダミアーニ」の他「サルヴィーニ(SALVINI)」や「ロッカ(ROCCA)」といったジュエラーも抱え、2016年にはイタリア・ベネチアのガラス企業のヴェニーニ(VENINI)を買収し、昨年は東京のギンザ シックス(GINZA SIX)や上海、ドバイ、シンガポール、韓国に店舗をオープンしている。

大根田杏(Anzu Oneda):1992年東京生まれ。横浜国立大学在学中にスウェーデンへ1年交換留学、その後「WWD ジャパン」でインターンを経験し、ファッション系PR会社に入社。編集&PRコミュニケーションとして日本企業の海外PR戦略立案や編集・制作、海外ブランドの日本進出サポート、メディア事業の立ち上げ・取材・執筆などを担当。現在はフリーランスでファッション・ビューティ・ライフスタイル関連の記事執筆や翻訳を行う。