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腕時計業界の立役者ジャン・クロード・ビバーが第一線を退く 45年の経験を次世代につなぐ

 「タグ・ホイヤー(TAG HEUER)」「ゼニス(ZENITH)」「ウブロ(HUBLOT)」を擁するLVMH モエ ヘネシー・ルイ ヴィトン(LVMH MOET HENNESSY LOUIS VUITTON以下、LVMH)時計部門のプレジデントであるジャン・クロード・ビバー(Jean Claude Biver)がビジネスの第一線から退くことが分かった。今後は同部門のノン・エグゼクティブ・プレジデントになり、アドバイザーの役割を担うという。LVMHはコメントを控えた。

 腕時計業界をけん引してきたビバーだが、「これからは45年の経験を新たなチームに引き継ぐことに力を注ぐ」と語り、自身の立場を自動車教習所の教官になぞらえて、「教官は運転席に座らない。助手席から運転者を指導するものだ」と話した。ただし“運転者”を特定の人物に限ったわけではなく、ビバーのアドバイスを求める同部門の役員全員が対象だと付け加えた。

 ビバーは1980年代に腕時計業界の救世主として名をはせた。当時はクオーツ式腕時計が市場を席巻し、伝統的な腕時計メーカーは苦境に陥っていた。しかしビバーはスイスの老舗「ブランパン(BLANCPAIN)」を見事に復興させ、その後も「オメガ(OMEGA)」に革新をもたらした。さらに「ウブロ」で“ビッグ・バン”を発表し、人気ブランドに育て上げた。2014年からLVMHの時計部門で指揮を執っていた。

 ビバーは以前から体調が優れず、治療を受けているという。「今年で70歳になり、来年は仕事を始めてから45年となる。人生はなんと短いことかと思うが、私の経験を次の世代にしっかりと引き継いでいく」と語った。

 なお、後任としてステファン・ビアンキ(Stephane Bianchi)が時計部門最高経営責任者(CEO)に11月1日付けで就任する。また、ベルナール・アルノー(Bernard Arnault)LVMH会長兼CEOの三男、フレデリック・アルノー(Frederic Arnault)が「タグ・ホイヤー」のストラテジー&デジタルディレクターに就く。