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共感を呼ぶ過激な歌詞 兵庫発“特異”シンガー・ソングライター、あいみょん

 あいみょんは、新しい世代の女性シンガー・ソングライターだ。その類いまれな作詞センスは多くの音楽関係者が絶賛。2015年のインディーズデビューの際に発表したシングル「貴方解剖純愛歌~死ね~」の歌詞「あなたの両腕を切り落として 私の腰に巻き付ければ あなたはもう二度と 他の女を抱けないわ」は刺激的ながら10〜20代の女性を中心に支持を集め、「WWD JAPAN.com」が先月に実施した読者アンケートでの「いま気になるアーティスト」では並み居るアーティストを抑えて最も回答数が多いなど、多方面から注目を集めている。

デビュー作となった「貴方解剖純愛歌 〜死ね〜」はその刺激的な歌詞とLINEを駆使したMVで話題に

 4月25日に4thシングル「満月の夜なら」の発売を控えている彼女に、アーティストとしての活動経緯を振り返りつつ、お気に入りのブランドだという「サルバム(SULVAM)」や仲が良いというスタイリストの服部昌孝と二宮ちえについてなど、ファッションまつわることからプライベートな話まで聞いた。

WWD:14歳の頃から作詞していたと聞いたが、音楽との出合いとアーティストになるきっかけは?

あいみょん:父親が音響関係の仕事に就いているんですが、昔バンドをやっていたのでアコースティックギターを弾くのが上手かったんです。それを見て聴いて育ったので父親の影響が大きいですね。幼い頃は妹と「修二と彰」を歌っていたりしました(笑)。

デビューのきっかけはユーチューブで、同い年の地元の友達が、音楽番組を作ってユーチューブにアップしていたんです。その番組に出て、初めて人前で披露したんですが、それを事務所の人が見つけてツイッター経由で直接声がかかり、インディーズデビューが決まったという感じです。路上ライブやライブハウスで活動していた時期はないんです。

WWD:ちなみに番組では何を?

あいみょん:カバー2曲とオリジナル1曲です。その時のオリジナル曲は事務所からリリースを熱望されているんですけど、恥ずかしすぎる曲名なので……。伝説の曲です(笑)。

WWD:タイトルや歌詞がシンガー・ソングライターの中でも特異に感じるが、インスピレーションはどこから?

あいみょん:妄想と経験、両方です。休みがあったら美術館によく行くんですが、岡本太郎やピカソの言葉に影響されることはあります。でもどちらかというと「芸術は残すべき」って熱が強くなる感じですね。「芸術は100年経っても残るけど、私の音楽は100年経っても残るのか」とか。インスピレーションよりも、モチベーションにつながる感じです。曲作りは基本的に家での作業で、多い時に月10曲、1日3曲作るときもあります。

WWD:タイトルや歌詞は刺激的なものが多いが、どこか「共感できる」というのが強みだと感じる。

あいみょん:「刺激的にしないといけない」だったり「共感してほしい」とかは曲作りの時に意識していないですね。もちろん共感されたらうれしいですが、どちらかというと好きなように捉えてほしいタイプです。例えばラブソングを作ったつもりでも、それを“ラブ”ではなくて“ライフ”として捉えてくれる人もいる。それが音楽の面白いところだと思っていて。あと“リアル”を大事にしているので、作詞作曲は絶対に自分でやると決めてます。

WWD:「作詞作曲は絶対に自分でやる」と言っていたが、他のアーティストに詞を提供をしている、なぜ?

あいみょん:実は自分のインディーズデビュー前に、ご縁があってジャニーズWESTさんのデビューシングルのカップリングのコンペに応募し、作詞家デビューしたんです。そのときはすでにあるメロディーに作詞する作業だったんですけど、当然やったこともなかったのでただただ難しかったです。最初に書き上げたときも「これはあいみょんの曲だ。君の作詞だからあいみょんっぽさも大切だけど、歌うのは君じゃない」って指摘されて。でもそれがすごい刺激になって「提供って楽しい」って思ったんです。この経験はメジャーデビュー前の、シンガー・ソングライターとしてやっていく自信にもなりましたね。

それから提供する機会があるときは「わたしとしての色を残しつつ、歌うのはあくまでもわたしじゃない」って考えられるようになりましたね。毎月曲を書いていると「あれ、これは自分が歌う曲じゃないのかな?誰かに歌ってもらったほうがいいのかな?」って思いながら曲を書くこともあるんです。でも「わたしが歌って気持ちよい曲じゃないとダメ」というのを大切にしています。

WWD:4月25日に発売される新曲「満月の夜なら」はこれまでの歌詞と違って少し柔らかい印象を受けた。

あいみょん:今年の1月に10曲ぐらい作ったうちの1曲なんですが、シンプルに大人になったことでの変化だと思います。ちなみに今回はラップ調に挑戦しました(笑)。韻を踏んだりするのが好きなんですけど、即興でラップする人は天才だなって思います。あれが本当の音楽ですね。ちなみに来月、2ndシングルの「愛を伝えたいだとか」をヒップホップクルーKANDYTOWNのNeetzさん、ビートメーカーでラッパーのLil'Yukichiさんにそれぞれリミックスしてもらったバージョンがリリースされます!