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シャネルやJDドットコムなど提携続々、「ファーフェッチ」CEOが語るラグジュアリーECの今後

 ラグジュアリーファッションECモール「ファーフェッチ(FARFETCH)」の成長が著しい。この1年だけでもネッタポルテ(Net-A-Porter)を創業したナタリー・マセネット(Natalie Massenet)英国ファッション協議会会長の非業務執行共同会長就任をはじめ、中国第2のEC大手JDドットコムからの3億9700万ドル(約436億円)の資金調達、「シャネル(CHANEL)」との共同プロジェクト、百貨店ハーヴェイ・ニコルズ(Harvey Nichols)との提携など、話題が絶えない。ラグジュアリー企業は通常ブランディングなどの観点から自社ECに注力しがちだが、そんな予想を裏切るようにラグジュアリーブランドとの提携も次々と発表されている。「ファーフェッチ」はなぜ、これほどまでに勢力を拡大できるのか。同社のジョゼ・ネヴェス(Jose Neves)ファーフェッチ最高経営責任者(CEO)にビジネスについて聞いた。

WWD:まず、現在「ファーフェッチ」に出店するショップ数と商品数は?

ネヴェス:全部で880。おおよそ600のブテッィクと300の直営ブランドがある。SKUについては、1年間で追加されるアイテムが25万点だ。

WWD:「ファーフェッチ」が他のECモールと異なる最大の特徴は、一切在庫を持たないプラットフォームいう部分だと思う。今後も在庫を持つ予定はないか。

ネヴェス:変わらず。今後も持たないだろう。

WWD:在庫を持たないメリットとは。

ネヴェス:まず、在庫を売らなければいけないというプレッシャーがない。その分、消費者の嗜好に合わせてビジネスをできる。また、小規模デザイナーのアイテムからから大手ブランドのユニークな商品まで、幅広い品ぞろえが可能となる。

WWD:在庫を持たないことによるデメリットは?

ネヴェス:マージンが減ることだね(笑)。

WWD:商品の発送は店舗自体から行うのか。

ネヴェス:商品はブティックやブランドの在庫から直送している。在庫は現在、40カ国にある。われわれは返品や関税など、全ての手続きを管理している。

WWD:プラットフォームであるならば、「ファーフェッチ」としてのブランディングはどのように表現するのか。

ネヴェス:ネット上でコンテンツを作るし、SNSも活用する。その他、コミュニケーションや広告など全てでブランディングをしている。現在日本でのアプリにはコンテンツがないが、今後はここにコンテンツを拡充していく計画だ。

WWD:プラットフォームでありながら、ブランディングをするというのは難しいのではないか。

ネヴェス:一番いい例えが「アップル(APPLE)」だろう。テクノロジー会社で、プラットフォームでありながら、ブランディングも行っている。簡単ではないが、実現はできるだろう。

WWD:こうした業態だから、競合はいないのか?

ネヴェス:いないだろう。もちろん小売をやっている「ネッタポルテ(NET A PORTER)」などがあるが、彼らとはビジネスモデルが異なるため、競合ではないと思う。

WWD:そんな「ネッタポルテ」を含むユークス ネッタポルテ グループ(YOOX NET-A-PORTER GROUP)はコンパニー フィナンシエール リシュモン(COMPAGNIE FINANCIERE RICHEMONT)に買収されたが、こうしたラグジュアリーECの状況をどう見ている?

ネヴェス:それについては、コメントができない。

WWD:ちなみに、日本のファッションEC最大手「ゾゾタウン(ZOZOTOWN)」のことは知っている?

ネヴェス:もちろん。彼らは素晴らしいビジネスだ。たしか2007年、僕が「ファーフェッチ」のアイデアを考えた時に「これはユニークだ!」と感じた。そうしたら、日本に「ゾゾタウン」があったんだ(笑)。イノベーションにあふれた、本当にいい会社だと思う。