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「残業が多い人」がすべき3つのこと

 2016年から政府が「働き方改革」を提唱するなか、業界を問わず、長時間労働の見直しや業務の効率化が叫ばれている。「WWDジャパン」8月28日号の「働き方」特集では、“効率よく働くコツを教えます”をテーマに、周りから一目置かれている“デキる業界人”の仕事術を通じて、働き方のヒントを紹介した。効率化は単なる時間短縮ではなく、限られた時間の“質”を高めることが重要であり、個々の生産性の向上を図ることが鍵となる。しかし、日本の企業風土としていまだに残業することを頑張っている、努力しているとする「残業=美徳」の価値観が根強く残っているのも確かだ。残業が全て悪いわけではないが、それが恒常的になっている人は“働き方”のマインドを変えていく必要がある。そこで、メリハリのある働き方を実践する“デキる業界人”の効率化のコツから、残業時間を削減できる3つのポイントを紹介する。

ポイント1:1時間早く起床し、1日全体の効率化につなげる

 2014年5月から「朝型勤務制度」を正式導入した伊藤忠商事で営業として働く小笠原靖浩さんは、働き方の変化を実感している一人だ。同制度が導入されるまでは始業時間の9時ギリギリに出社することもあったが、今は7時半には出社している。「前日の積み残しやメール対応に充てるほか、社外から電話がかかってくる時間ではないので、仕事を始める前に頭の中の整理として朝の時間を使っています。最初は戸惑いもありましたが、優先順位をつけざるを得なくなり、効率は確実に上がりました」と話す。同制度導入前の2012年度と導入3年後との比較では、20時以降の退社は30%から5%に下がり、8時以前の出社は20%から45%へと上がり効果が表れている。

ポイント2:メールの時間をカットし、直接話すことで時短

 アシックスでMDの統括や、東京2020に向けたプロジェクトを束ねる横山順一・統括部長が実践しているのは、メールに時間をかけないことだ。社内に向けては2行、取引先には長くても4行のメールにとどめている。「件名から本題に入ることもある。社内向けでは、メールの書き出しに入れる“〇〇さん”や“お疲れ様です”は不要だと感じており、メールに時間を割くのはもったいない。部下には、クリエイティブ(質の向上)に時間を割いてほしいと伝えています」と話す。一方で、社員のワークライフバランスの実現を目指すストライプインターナショナルで経営企画や人事を統括する神田充教・取締役兼CHO人事本部長は「時短=話すこと」と断言する。「メールは使うとしても、情報共有や一方的な業務指示のどちらか。返信がいらない内容だけを送るようにしています。話す方が断然早い」という。会話においても、「“おいそがしいところ申し訳ありません”などのクッション言葉を置かずに用件や結論を先に話すように伝え『会話の短縮』を実行しています」。

ポイント3:余裕を生み出す “マイ締め切り”を設定する

 バロックジャパンリミテッドで投資家対応を一手に担う沈(しぇん)みずほIRディレクターが、限りある時間で業務をこなすコツは「実際の締め切りよりも1日前に自分の締め切りを設定し、それを基にスケジュールを組むこと」。そうすることで急な変更や問題が発生しても焦らず、間に合わせることができているという。「海外では“残業”=“仕事ができない”ということ。効率化できないとノー残業実現は難しいです。ただ、吸収したい時期もあるので、残業が必ずしも“悪”ではない。ライフステージに合わせて考えるのが大事ですね」。