「エトロ(ETRO)」の創業一族で、2021年7月まで同ブランドのウィメンズを手掛けていたヴェロニカ・エトロ(Veronica Etro)元クリエイティブ・ディレクターは11月5日、新たなブランド「オフ ザ メニュー(OFF THE MENU)」を立ち上げた。デビューとなる27-28年秋冬コレクションは全35型で、来年7月ごろに店頭に並ぶ予定。コレクターズアイテムのように愛される、“日常を特別なものに変える服”を提案するという。
株式を売却して「エトロ」を離れた創業一族
エトロは1968年にジェローラモ・エトロ(Gerolamo Etro)がテキスタイル会社として創業。長らく一族経営を続けていたが、2021年7月に株式の60%をLVMH モエ ヘネシー・ルイ ヴィトン(LVMH MOET HENNESSY LOUIS VUITTON)系の投資会社Lキャタルトン(L CATTERTON)に売却。これを機に、ウィメンズ、メンズ、ホームをそれぞれ手掛けていたヴェロニカ、キーン・エトロ(Kean Etro)、ヤコポ・エトロ(Jacopo Etro)、そして事業戦略を担当していたイッポリト・エトロ(Ippolito Etro)は退任。その後、クリエイティブ面は22年6月から26年3月までマルコ・デ・ヴィンチェンツォ(Marco De Vincenzo)前クリエイティブ・ディレクターが担い、同氏の退任後はチーム体制に移行している。
なお、エトロ家は25年12月、保有する全ての株式をトルコの不動産開発会社ラムズ・グローバル(RAMS GLOBAL)、イタリアの持株会社ノバラックス・ホールディングス(NOVALUX HOLDINGS)、欧州の投資会社兼アドバイザリーのSRIグローバル・グループ(SRI GLOBAL GROUP)の3社に売却。この取引により、創業家はブランドから完全に離れることとなった。3社は合計で株式の49%を保有し、残り51%は以前からの過半数株主であるLキャタルトンが保有している。
「『エトロ』は家のような存在だからこそ、離れる時間が必要だった」
ヴェロニカは「エトロ」のクリエイティブ・ディレクター職を退いてからも、一族が株式を全て売却するまでの3年間、ブランドのアーカイブチームをサポートするため会社に在籍していた。有名ブランドを率いる慌ただしさから離れ、「エトロ」の歴史やクラフツマンシップ、クリエイティビティーと静かに向き合う中、次第に創作意欲を取り戻していったという。「未来を考えることに追われるあまり、美しいものがどれほどたくさんあるかを忘れてしまっていた。『エトロ』は、私にとって家のような存在だった。だからこそ離れる時間が必要だったし、時が経つにつれ、自分のペースで新たな表現を追求したいと考えるようになった」。
定期購読についてはこちらからご確認ください。
購⼊済みの⽅、有料会員(定期購読者)の⽅は、ログインしてください。
