TABAYAホールディングス(旧ユナイテッドアローズ)の2026年4〜9月期の連結業績は、売上高が前年同期比3.2%増の760億円、営業利益が同32.4%増の31億円、純利益が同52.9%増の17億円だった。特に成果を上げているのが、会員制度「UAクラブ」だ。上位ステージ会員数は同18.5%増の17万2000人に拡大している。
UAクラブ会員の購買が成長をけん引 売上高構成比は54.7%
中核会社のユナイテッドアローズの売上高は同9.7%増の750億円だった。このうち「UAクラブ」会員による押し上げ効果は6.3ポイントに上った。上期の新規入会者数は約23万7000人。購入金額に応じてクーポンを付与するキャンペーンなどを通じてリピート購買を促すほか、上位ステージの会員にはパーソナルスタイリングサービスを提供するなど人的資本も掛け合わせた施策が奏効した。
その結果、上位ステージ会員の維持率は90%を超え、会員全体の売上高構成比も54.7%まで上昇した。松崎善則社長は、店舗スタッフの接客力とアプリやSNSなどのデジタル施策を組み合わせ、継続的に顧客を育成する仕組みを構築できていると手応えを示した。
会員情報の管理体制も強化 サイバー攻撃に備える
一方、企業へのサイバー攻撃や個人情報漏洩が相次ぐ中、拡大する会員情報の管理も重要な課題となる。これに対して松崎社長は「サイバー攻撃は想定以上に進化しており、万全を期すことは難しい」と危機感を示した上で「現在は直近の攻撃手法を踏まえたシステムの点検や、PHPの脆弱性の点検、不正アクセスのログ管理の強化などを進めている。また、万が一被害が発生した場合に備え、検知から公表まで迅速に対応できる体制も整備しているところだ」とコメントした。現時点では重大な不正アクセスの兆候は確認されていないという。
高付加価値戦略が奏功
商品面では、高付加価値のビジネスカジュアルの提案が売り上げを支えている。社内で優れた商品を表彰する「感動クリエーション賞」には、今年3月に発売したメンズスーツ「UAネイビー」の3つボタンスーツ(12万9800円)や、「ロエフ(LOEFF)」のフレンチスリーブブラウス(2万6400円)などが選ばれた。
各利益は2ケタ増益を確保した一方、連結売上総利益率は前年同期から0.8ポイント低下し、51.8%だった。松崎社長は、想定以上の原材料費や仕入れ原価の上昇に加え、春夏商戦で定価販売比率が計画に届かず、セールの長期化や値引き販売の拡大につながったと説明した。アウトレットで過年度在庫の消化を進めたことも影響した。ただ、増収により売上総利益額は同1.5%増加。前年のコーエン譲渡に伴う販管費の減少なども増益に寄与した。
「TABAYA TRANSIT」で飲食領域へ進出
同社は10月1日付で持ち株会社体制に移行し、TABAYAホールディングスに商号を変更した。同時にトランジットホールディングスとの合弁会社「TABAYA TRANSIT」も設立し、飲食などライフスタイル領域への進出を図る。具体的な事業内容については現在協議を進めており、松崎社長は1年以内をめどに顧客向けに発表したい考えを示した。
2027年3月期通期の連結業績予想は据え置く。売上高は前期比1.0%増の1661億円、営業利益は同9.6%増の100億円、純利益は同1.0%増の61億円を見込む。9月末時点のグループ全体の店舗数は287店舗。通期末のグループ店舗数は前期末比20店舗増の293店舗を見込む。